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ドリトル先生の長崎での出会い

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第十一幕その一

                第十一幕  象の神様
 お昼にサーカス団にお邪魔してです、先生は太郎からこんなことを言われました。
「象の神様がいるって聞いたけれど」
「ああ、いるよ」
 先生はすぐに答えました。
「インドにね」
「インドにも象がいるね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「象の頭を持った神様がいるよ」
「そうなんだね
「ガネーシャといってね」
 太郎にその象の名前も教えました。
「象の頭に四本の手を持って太った」
「そうした姿なんだ」
「お菓子が大好きでね」
 そうであってというのです。
「商売の神様なんだ」
「そうなんだね、実はね」
 太郎は自分の檻の中からそのすぐ外にいる先生にお話しました。
「インドの子達が言っていたんだ」
「サーカスを観に来た子達かな」
「そう、その子達が象の神様がどうとかね」
「お話していたんだね」
「そのことを聞いてね」
「僕に聞いたんだね」
「うん、象の神様がいるのかってね」
「実際にいるからね」
 先生は太郎にお話しました。
「インドにね」
「そのガネーシャって神様だね」
「商売のね」
「四本の手を持つ」
「とても頭が良くて優しいんだ」
「いい神様だね」
「そうだよ、インドのヒンズー教という宗教の神様で」
 そうであってというのです。
「とても人気があるよ」
「インドでもだね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「あの神様はね」
「それはいいことだね」
「インドでも象は人気があって」
 そうであってというのです。
「神様にもなっているんだよ」
「そのお話を聞いて嬉しいよ」
 太郎はにこにことして応えました。
「僕もね」
「それは何よりだね」
「そして仏教にもね」
「仏教だと仏さんだね」
「そのガネーシャ神が仏教に入って」
 そうしてというのです。
「大聖歓喜仏というんだ」
「仏様にもいるんだね」
「そうだよ、こちらでは恋愛を司るんだ」
「へえ、そうなんだ」
「いい仏様だよ」
 仏教でもというのです。
「優しいね」
「あの、仏様って大抵優しいお顔してるよね」
 ここで太郎はこんなことを言いました。
「けれど中にはすごく怖いお顔をしていて」
「そうしてだね」
「後ろに燃える火を背負ったね」
「それは明王というんだ」
 先生は太郎にお話しました。 
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