ドリトル先生の長崎での出会い
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第十幕その九
「決してね」
「全くだね」
「そんなものは一度でいいわ」
「もっと言えば起こって欲しくないし」
「絶対にね」
「皆もそう思うね、本当にね」
実にというのです。
「悲劇はね」
「一度でいいね」
「起こっても」
「そして因縁が蘇るなら」
「それならだね」
「今度は幸せになる」
そうなるというのです。
「それこそがだよ」
「最高だね」
「最高の結末だよね」
「何と言ってもね」
「蝶々さんにしても」
「そう思うよ」
先生は皆にお話しました、そしてその人が先生達のことに気付かないで教会を後にしてからでした。
先生と皆はお祈りをしてからその場を後にしました、それからです。
皆にです、また長崎の坂の多い道を歩きつつ言いました。
「蝶々さんは確かに親戚の人達に縁切りされてね」
「実は中尉は一時だけで」
「そうした状況でね」
「辛かったね」
「大変な状況だったね」
「そうだったけれど」
それでもというのです。
「支えてくれる人達がいてくれたからね」
「救われていたね」
ホワイティが応えました。
「その分ね」
「侍女のスズキさんがいたね」
「あの人がね」
チープサイドの家族も言います。
「いつも蝶々さんの傍にいて」
「蝶々さんを支えていたね」
「シャープレスさんもいたわ」
ダブダブはこの人のことを言いました。
「領事さんのね」
「シャープレスさんもいい人だったね」
ガブガブはこのことを認めました。
「蝶々さんを気遣ってね」
「中尉にその過ちを指摘してね」
「反省、後悔を促してね」
オシツオサレツも言います。
「蝶々さんのことを思いやって」
「いい人だったよ」
「ああした人達がいてくれて」
そしてと言うトートーでした。
「蝶々さんはその分救われていたね」
「当時は人種的偏見、宗教的偏見が強かったけれど」
それでもと言うジップでした。
「シャープレスさんみたいな人もいたからね」
「そうそう、偏見のない人がね」
チーチーも言います。
「ちゃんといてくれたからね」
「だから蝶々さんを気遣って」
ポリネシアはシャープレスさんのことを心から言いまsita.
「よくあのお家に来ていたみたいだしね」
「心ある人もいてくれて」
そしてと言う老馬でした。
「蝶々さんもその分救われていたね」
「スズキさんとシャープレスさんがいてくれて」
先生も言います。
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