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FAIRYTAIL〜星の王子様〜

作者:花神スギ
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5話~ヨゾラとルーシィ~

 
前書き
オリキャラ登場人物

 

 
5話~ヨゾラとルーシィ~


「ヨゾラ……どうしてここに?」

 ルーシィは驚いていた。
 別れを告げたと思っていた人物が目の前に現れたことに。

「お嬢様……やっと、見つけた!」

 ヨゾラは、ルーシィに近寄るとルーシィの手を掴み満面の笑みルーシィを見る。

 ずっと、捜してきたお嬢様を見つけた。
 まるで、主人を見つけた犬のようにヨゾラは笑顔で微笑む。

「どうやって?」

「これですよ、お嬢様」

 ヨゾラは、懐からルーシィの私物である週刊ソーサラーを取り出しルーシィに見せる。

「先に謝ります。申し訳ありません、約束を守れずにルーシィお嬢様の鍵がかかった引き出しを空けてしまいました……本当に申し訳ありません。ですが、ただ……お嬢様を!見つけたい一心で!」

「そ、そうなんだ……」

 ルーシィはやらかしたと思う。
 やっぱり処分してくるべきであった。

 誰にも見つからないように家を出てきたのに。

「それにしても……お嬢様。なんて、格好ですか?いいですか?ルーシィお嬢様は、ハートフィリア鉄道の創設者、ジュード・ハートフィリア様の大切な娘なのです、そのような格好では周りから笑われてしまいます!このような事もあろうかとお嬢様のドレスを持って来ました!さぁ、どうぞお着替えください!」

 ヨゾラは、どこからか豪華なドレスを取り出しルーシィに見せる。

「誰が着るか!?こんな、町中で!目立つでしょうが!」

「はて?何を仰っているか、分かりません」

「ヨゾラ、手紙にも書いたでしょ?あたしは家を出たの!もう、お嬢様じゃないの!?」

「あぁ!あの手紙なら捨てました!僕には理解ができなかったので!」

「捨てるなー!!」

 ヨゾラは、昔から変わらない。
 ルーシィには常にドが付く程の過保護で日々、ルーシィを悩ませていた。
 都合が悪いところを昔から流して、都合の良い解釈をするのがヨゾラである。

「とりあえず、帰りましょう?お屋敷の使用人達もみんな、お嬢様の帰りを待っています!」

「それは、嬉しいけど!!…………パパは?」

 ルーシィ少し、気を落とした雰囲気でヨゾラに尋ねる。ルーシィも父親の反応が気になってしまう。

「だ、旦那様も……もちろん……心配してますよー」

 ヨゾラは、横に顔を背けながら口笛を吹きながら答える。
 そんな、ヨゾラの反応にルーシィは。

「……そう。……いいわ、分かってた事だから……昔から変わらない、パパは……いや……あの人はあたしに興味ないのよ」

 母親のレイラが生きていた時は、父親ジュードとも楽しくやれていた。でも、今は違う。

「旦那様の事は置いといて帰りましょう!」

 ヨゾラは、ルーシィの手を引っ張り帰ろうとするが、ルーシィは抵抗する。

「嫌よ!帰らない!あたしは帰らない!ヨゾラなら分かってくれると思ったのに!あたしは用意されたレールの上をただ歩く人になりたくないの!!自分で決めて自由に生きるの!離して!!!」

 ルーシィは、心に止めていた思いをヨゾラに吐き出す。

 ママのように自由なそして、立派な魔導師になる、今のルーシィの生きる原動力だ。

「…………はぁ。」

 ヨゾラはため息を吐く。
 どこか、雰囲気も違う。

「何が嫌何です?誰かが敷いてくれたレールの上を歩くのもいいではないですか?僕はその方が不自由なく、幸せに暮らせると思いますが?敷かれたレールの上を外れて自由に生きる?では、お嬢様を支えようとした使用人達……そしてレールを用意してくれた旦那様の思いはどうでも良いのですか?」

「それは…………確かにみんながあたしのためにやってくれた事は分かるけど……あたしの!!」

 ルーシィは、ヨゾラの手を振り払う。

「あたしの!気持ちは誰が分かってくれるの!?あたしは自由に生きたいと思っちゃダメなの!?ねぇ!答えてよ!?」

「敷かれたレールの上を歩きながら、外に出ない程度に捜せばよいではないですか?」

 ルーシィの気持ちはヨゾラには通じない。
 ルーシィには、ルーシィのヨゾラにはヨゾラの考えがある。

「嫌よ!!あたしは絶対に帰らない!あの人の言う通りに生きるのは嫌!」

「……お嬢様」

 ヨゾラは、再びルーシィの手を掴むと

「敷かれたレールの上をただ歩いていたかった者も居るのですよ…………僕はそうしていたかった……」

「え…………?……ヨゾラ?」

 ヨゾラの言葉に一瞬、固まるルーシィ。
 幼い頃からの付き合いだが、ハートフィリア家の屋敷に来る前のヨゾラの事は知らない。
 聞いても教えてくれず、はぐらかされる。


「分かりました……強引にでも連れて行きます」

「やめて!離してヨゾラ!あたしは帰らない!!嫌!!!」

 ヨゾラは、強引にルーシィの手を引いて歩き出す、意外にも力が強いヨゾラにルーシィは抵抗する。

「誰か!誰か助けて!」

 ルーシィが叫んだ瞬間だった。
 ルーシィの声に呼応するかのように、激しい炎と煌めく光がヨゾラに目掛けて飛んでくる。

「火竜の咆哮!!」

「聖竜の咆哮!!」

「……誰ですか?」

 突然の咆哮と共に魔法が放たれ、ヨゾラはとっさにルーシィを抱えあげお姫様抱っこの状態で魔法を避ける。

「ルーシィを離せ!嫌がってんだろ!?」

「う~ん、女の子に乱暴はダメじゃないかな~?」

 妖精の尻尾の魔導師であり、友達である2人。

「ナツ!アリス!」

 ルーシィが叫ぶ。
 友の名を。

「ルーシィ、待ってろ。すぐに助ける」

 ナツ・ドラグニル。

「ルーシィ~、大丈夫~?今、助けるから~」

 アリス・ミラクルア。

 友の叫びに2人の魔導師がヨゾラの前に立ち塞がる。


 星竜と火竜&聖竜の出会いである。








  
 

 
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