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FAIRYTAIL〜星の王子様〜

作者:花神スギ
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4話~家出少女のレール~

 
前書き
オリキャラ登場人物

 

 
4話~家出少女のレール~


 ハートフィリア家財閥のお嬢様である。
 ルーシィ・ハートフィリアが失踪してから1月が流れていた。
 さすがに、1月も見つからず、父親であるジュード・ハートフィリアは焦っていた。

「まだ!見つからないのか!?」

 怒号と共に不機嫌なジュードは激昂していた。
 娘のルーシィが見つからずコーネリア伯爵との縁談が進まない。

 ハートフィリア鉄道の未来がこの縁談にはかかっていた。

「捜索は続けております。ですが、いまだにルーシィお嬢様はまだ……」

 ヨゾラもこの1月、様々な町を捜したが成果はなし、フィオーレ王国全体が広すぎる。
 また、鉄道もフィオーレ王国全体に通っているため、簡単に各地へと移動できてしまうため、捜索が困難になっていた、ジュード本人が経営する鉄道が捜索の足を引っ張ってしまう。

「見つからぬ、報告などいらぬ!!さっさと、捜しに行け!!」

 ほぼ、八つ当たりに近い罵声をヨゾラに浴びせ、ジュードは仕事へと向かう。

「はい、失礼致します」

 ヨゾラは、ジュードの部屋から退室する。
 昔は違った。
 鉄道の経営が忙しくなる前かそれとも、妻であるルーシィお嬢様の母親レイラ様が亡くなるまでは旦那様はお優しいお方であった。

 レイラ様が亡くなられ、藁にも縋る思いで仕事一筋で生きてきた。娘のルーシィにも笑顔を見せず、あの誕生日の日も…………。

 ヨゾラは、変わってしまったジュードを心配しながらも、旦那様のため、またルーシィお嬢様のため今日も奔走する。

「失礼します、お嬢様」

 ヨゾラはルーシィの部屋に立ち寄っていた。何かルーシィの失踪に手がかりがないかと部屋の中を見渡す。

 いつもなら、朝、昼、晩とこの部屋に食事を運び、ルーシィお嬢様が小説を書いている姿を見るのが日課だった。
 けれど、ルーシィお嬢様はもう居ない。
 騒がしかったハートフィリア家の屋敷も寂しく静かだった。

 ふと、ヨゾラの目にはルーシィお嬢様がいつも小説を書いている、机が目に入る。
 机には三段の引き出しがあり、一番上の引き出しは鍵がかかっており、ルーシィお嬢様が書いている小説の原稿が入っている。

 絶対に空けちゃダメ!!と、念を押されていたため触らずにいたが

「お嬢様、申し訳ありません。使用人の身分でありながら約束を破ります」

 ヨゾラは鍵のかかった引き出しに手を掛ける。
 魔力を手に込めて無理やり引き出しを引っ張ると、引き出しは物音をたてながら無理やり開かれる。
 中には、ルーシィお嬢様が書かれていた小説の原稿があり、その原稿を手に取ると隠されるように1冊の雑誌。

 【週刊ソーサラー、妖精の尻尾大特集】

 妖精の尻尾について特集が組まれた、1冊の雑誌、何気に数ページ捲っているとあるページが目に入る。

 【妖精の尻尾の魔導師募集中!!!】

 ギルド勧誘と妖精の尻尾のギルドが書いてある地図が載っていた。

 そこには、赤いペンで大きく丸で囲ってあったのだった。

「こんな、簡単なことに気づかないなんて……使用人失格だ…………」

 ルーシィお嬢様の失踪で完全にテンパっていたハートフィリア家の者達、よくルーシィお嬢様の事を知り、彼女の思いを考えればすぐに彼女の居場所の答えが出たはずだ。

「……妖精の尻尾」

 ヨゾラは、週刊ソーサラーの雑誌を手に取り、ハートフィリア家の屋敷を後にするのだった。

 確かな確信を持って。





















 フィオーレ王国にある、マグノリアの町。
 代表的な建物にカルディア大聖堂があり、観光名所としても有名だ。

 そして【妖精の尻尾】の魔導師ギルドもある。

 この地に1人の少女が居た。
 ルーシィ・ハートフィリア。

 あの日、ハートフィリアの屋敷を家出して、マグノリアの町を目指して旅をしていた。
 そんな時、1人の妖精の尻尾の魔導師、ナツ・ドラグニルと出会う。

 ナツ・ドラグニルとの出会い、導きによりルーシィは妖精の尻尾の一員となっていた。
 彼女の父親ジュードに敷かれたレールから外れた歩きだした特別な日。

「やばい、やばい、やばい!!家賃払えないよ!クエスト受けなきゃ!」

 お嬢様を辞めて、1人の魔導師となったルーシィは日々、家賃を払うためクエストを頑張っていた。

 共に仕事をする仲間であり、友達のナツ、ナツの相棒のハッピーと共に今日もクエストを受けた帰りだった。
 クエストは成功!しかし、周りへの被害が出てしまい、ほとんどクエスト報酬金は無いに等しかった。

「家賃!どうしよう!」

「家賃、家賃、うるせーぞ、ルーシィ」

「ルーシィはお金のことしか考えないんだから」

 ナツとハッピーに煽られるも、毎日騒がしく過ごしている日々はルーシィにとってとても大切な日々になっていた。

「ハッピー!帰るぞー!またな、ルーシィ」

「あい!ルーシィまたねー」

 ナツとハッピーは、ルーシィと別れて自分の家へと歩いていく。
 そんな、二人を見送り、ルーシィも自分の家へと帰るため歩きだす。

「はぁー、今日もナツが暴れて報酬金なし……お金を稼ぐって大変なんだな…………ねぇ、ママ……でもね……あたし、今ね……すごく充実した日を過ごしてるよ……お屋敷に居た時とは大違い……」

 ルーシィは、空を見上げながら亡き母に告げるように呟く。
 お嬢様から解放され、ただのルーシィとなった、敷かれたレールを外れて、この先ずっと続くと信じていた。


 あの、懐かしい声を聞くまでは

「ルーシィお嬢様」

 懐かしい、優しい声。
 ずっと自分のために全てを捧げてきた
 ヨゾラの声を聞くまでは。

 振り返れば、家出をしたあの日の朝と同じ笑顔でヨゾラはルーシィを見つめていた。

「…………ヨゾラ?……どうしてここが?」


 再会した、ヨゾラとルーシィ。
 ヨゾラの思惑は?
 ルーシィの運命は?
 星の導きにより2人は再会する。













  
 

 
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