FAIRYTAIL〜星の王子様〜
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6話~騒動の始まり~
前書き
オリキャラ登場人物
6話~騒動の始まり~
「お嬢様?大丈夫ですか?お怪我はございませんか?」
突然の魔法の攻撃。
ルーシィをとっさにルーシィを抱え回避する。
何事も無かったようにルーシィに笑顔を見せる。
「大丈夫だけど…………って!降ろして!」
「そんなに暴れないでください」
ヨゾラはルーシィをそっと降ろす。
すると、ルーシィは立ち上がり走りだす。
仲間である、ナツとアリスの後ろへと走りだす。
「お嬢様!…………まったく……」
ヨゾラはルーシィの行動に理解できない。
なぜ?自分より目の前の奴らの元に。
「で、貴方達は誰ですか?」
ヨゾラは目の前で対峙する。
2人をにらみつける。
「お前こそ誰だ?」
「ルーシィに何か用なのかな~?返答しだいではアリスちゃん、怒るかもよ~?」
明らかに敵視する桜髪の少年とのほほんとしながらも少年同様に敵視している少女。
「質問をしているのはこちらなのですが?……仕方ありませんね。僕はヨゾラ、お嬢様の忠実なる下僕です」
「お嬢様?……何を言ってやがる?」
「ナツ……この人、ヤバい人かも~?」
「お嬢さん……僕がヤバい人?」
「アリス!構えろ!!」
突然のナツの言葉にアリスは驚く。
その瞬間だった。
「誰がヤバい人ですか?」
「っ!?……いつの間に!?」
ヨゾラはアリスの顔の近くまで一瞬で近づいていた。
アリスとて、妖精の尻尾の魔導師。
油断などしていなかった。
「離れろぉぉ!!!」
ナツは接近してきた、ヨゾラの気配に気づき、炎の纏った、腕で振り払う。
「……血の気の多い人ですね」
ヨゾラは、ナツの振り払う腕を避けて、距離をとる。
一瞬であった。
「ふぅ……少し焦げてしまったじゃないですか?せっかく、久しぶりにお嬢様に出会えると思って、新しい服を卸したばかりなのに」
ヨゾラは、服の袖を払うようにしながら、2人を見ている。
「それに、僕は忠実なるお嬢様の下僕……それをバカにする人は許しませんよ?」
「アリス……気を抜くな?」
「ごめんなさい、ナツ。次は気を抜かないから」
2人はヨゾラを見据えて、構える。
3人を止めるかのようにルーシィが叫ぶ。
「やめて!3人とも!」
「ルーシィ?何でだよ?ルーシィを狙ってる奴だろ?」
「そうだよ、ルーシィ。アリス達の後ろで下がってて」
「久しぶりのお嬢様との再会を邪魔する者を排除するだけです」
「だから、一回待って!」
ルーシィの制止に、仕方ないと双方、戦闘体制を解く。
「ヨゾラ!あたしは帰らない!帰りたくない!お願い!今日は帰って!」
「……お嬢様」
ヨゾラはまさか、こんなにルーシィに拒否されるとは思っていなかったのだが、唖然とする。
「……分かりました」
ヨゾラは一言だけ、ルーシィに告げると
「お嬢様?今日はお嬢様の言うとおり、帰ります」
再び、ナツとアリスの間をすり抜けて、ルーシィの眼前に迫り
「また、お迎えに参ります。お嬢様も突然の僕のお迎えで混乱しているでしょう。考えるお時間が必要かと思いますので」
笑顔は、笑顔でルーシィに告げる。
いつもの、ニコニコと優しい笑顔で
「火竜の鉄拳!!」
「聖竜の鉄拳!!」
ナツとアリスの魔法を纏った拳がヨゾラに迫る、だが……ヨゾラの姿はなく、先程と同じ場所に立っていた。
「本当に不愉快な人達ですね。僕とお嬢様が話すのに妬いているようですね」
ナツとアリスは振り返り。
「いつの間に!?」
「アリスもナツも、今……本気で当てにいったのに……!?」
「今日は帰ります。それでは……お嬢様……また、お迎えに参ります」
ヨゾラはルーシィに挨拶すると、くるりと背中を向けて歩きだすが、何かを思い出すように振り向き。
「名前……聞いておきましょう」
ナツとアリスを見る。
「ナツ・ドラグニル」
「アリス・ミラクルア」
ナツとアリスは名を名乗る。
ヨゾラは、笑顔から真顔になり。
「ナツ・ドラグニル……アリス・ミラクルア…………名前、覚えておきましょう、お嬢様の周りを飛び回るハエの名を…………それと、僕はヨゾラ。別に覚えなくても大丈夫です…………それでは」
と、ヨゾラは再びルーシィ達に背を向けて歩きだすのだった。
ヨゾラの姿が見えなくなると
「ルーシィ!大丈夫~?遅くなってごめんね~?」
「ルーシィ、アイツは?……それと、お嬢様って何のことだよ?」
「ナツ、アリス……ありがとう。………………わかった」
ルーシィは、何かを決意して2人に
「他のみんなには内緒にしとほしいの……あたしは……」
ルーシィは、仲間である、ナツとアリスに自らの境遇とヨゾラについて話をするのだった。
ルーシィは、まだ知らない。
これから始まる、自身を巡っての戦いを。
あの後、ヨゾラはハートフィリア家の屋敷に戻っており、主であるジュードの部屋に訪れていた。
「ルーシィが見つかった!?……ヨゾラ、で……ルーシィは帰ったのか?」
「申し訳ありません……ルーシィお嬢様と会うことはできたのですが……邪魔が入りお連れすることは叶わず」
ヨゾラは、ジュードにルーシィの所在地が分かったと報告する。
「何をしている!無理矢理でも連れて来ぬか!?…………お前は昔からルーシィに甘すぎる」
「申し訳ありません」
ジュードの叱責に頭を下げ謝るヨゾラ。
「で、ルーシィお嬢様は、マグノリア町にある、魔導師ギルドの妖精の尻尾に居ます」
「妖精の尻尾…………やはりか……」
ジュードは、ヨゾラの言葉を聞き一通の手紙を取り出す。
「それは?」
「今朝、屋敷に差出人不明で届いてな?」
「差出人不明……ですか?内容をお聞きしても?」
ヨゾラは、ジュードに手紙の内容を問う、ジュードに手紙を渡されると
【ルーシィ・ハートフィリアは誘拐された、犯人は妖精の尻尾】
ルーシィが妖精の尻尾に誘拐されたということだけ、書かれていた。
「……ジュード様、失礼します」
ヨゾラは、差出人不明の手紙を鼻に近づけ、匂いを確認する。
紙の匂いとインクの匂い。
そして、かすかに高そうな気品ある香水の匂い。
「……分かりませんね。鼻には自信がありましたが……かすかな香水の匂い……ぐらいしか」
「そうか……、しかし、お前の情報により、この差出人の意図は読めぬが……ルーシィの居場所は分かった…………妖精の尻尾か……一癖ある、魔導師達だと聞く……まさか……誘拐されていたとは……ルーシィの様子は?」
妖精の尻尾による、ルーシィの誘拐。
ヨゾラは若干の違和感を感じながらも
「共に帰りましょうとお伝えしましたが、帰らないの一点張りで……それに、妖精の尻尾の魔導師2人が、ルーシィお嬢様を必死に守ろうとしていました」
「…………ルーシィは洗脳の類いに惑わされているのであろう。妖精の尻尾……卑劣な手を使い我が娘を…………いや、ルーシィを使い、我がハートフィリア家の財産を狙っているのか……」
ジュードは、ありとあらゆる事を考える。
ヨゾラは、ルーシィが洗脳されてはいないと気づいているが
「僕も同感でございます」
あえて、ジュードの考えに乗る。
全てはジュードを動かすために
「うむ……わかった。ヨゾラよ……ご苦労であった」
「お褒めの言葉、ありがたき幸せ」
めったにヨゾラを褒めることはないジュードだが、それほど、ルーシィの失踪で、コーネリア伯爵との縁談が進まぬことに焦っているのであろう。
「ヨゾラ、幽鬼の支配者は知っているな?」
「はい、妖精の尻尾と双璧と呼ばれている……ギルドですよね?」
幽鬼の支配者。
フィオーレ王国にて、有名な大型のギルドで、妖精の尻尾と仲が悪いと有名である。
「幽鬼の支配者は、妖精の尻尾に匹敵する、魔導師達が居るという。あのギルドなら、手を貸してくれるであろう…………ヨゾラ、すぐに幽鬼の支配者へ以来を出すのだ」
「はい、すぐに準備を」
ハートフィリアの屋敷にて、ルーシィ奪還のため、幽鬼の支配者への依頼がされるのだった。
この、浅はかな行動が、ルーシィを苦しめ、ジュード自身を破滅へと向かわせる選択になるのだと。
ヨゾラの人生も変わっていく。
親愛なるルーシィお嬢様のため、外道となろうとも。
とある、豪華な部屋。
一人の男が高級な葡萄酒を飲みながら、男が居た。
男は、一匹の黒い蝶に話しかけていた。
「作戦は上手くいきそうだねぇ?ハートフィリアの屋敷に差出人不明で手紙は送ったし、火種にはなるでしょう?」
「ウチ達の出番?」
黒い蝶から女性の声が聞こえてくる。
蝶を通して会話をしている。
「うん、そうだね。きっと、幽鬼の支配者に助けを求めに行くと思うから、上手く事が進むようにやってねー?……我らが主のため、頑張ってね?」
「……めんどくさいけど……ウチも頑張りますよ……めんどくさいけど…………」
「あと、あの変態伯爵の元に居る、2人の双子の姉妹にも連絡してあるからー、久しぶりの再会だと思うけど他人の不利をよろしくー」
「はいはい……ウチ、苦手なんすよね?堅物と色ボケの双子には…………まぁ、適当にやっておきます」
「じゃあ、よろしくー!バイバーイ!」
男は女性との通信を切り。
指先に止まった、黒い蝶をお酒のツマミにするかのようにペロリと食べる。
舌なめずりをしながら。
「ハートフィリア家の屋敷に隠れた……空から墜ちた星ちゃん……君は表舞台に引きずり出してあげるからねー…………ふふふ……あははははは!!」
男の部屋には、不気味な笑い声が響きわたる。
ルーシィ騒動の裏で、また違う闇の陰謀が蠢いている。
後書き
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