FAIRYTAIL〜星の王子様〜
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第3話~緋色と家出~
前書き
オリキャラ登場人物
第3話~緋色と家出~
「オロロロ!……オロロロ!」
デジャブである。
ヨゾラはクロッカスでのお使いが終わり、お土産を買ってハートフィリア屋敷に帰る途中で列車に揺られながらオロロとしていた。
「薬の効果切れてる……1日はもたないんだ」
お昼頃、優しい若者から貰った薬で1日大丈夫だと思っていたが人生そんなに甘くはなかった。
「ハートフィリア屋敷の最寄りの駅まで後数時間…………頑張れ、頑張るんだ……僕」
そんな時だった、列車が近くの駅に止まった。
列車は、扉が開き新たにお客さんが乗車して来る。
列車は帰宅ラッシュの影響なのか、人が多く満席状態だ。
そして、そんな時だった。
「すまない、相席よろしいか?」
新たに乗車してきた人に声をかけられた、珍しいことではない席が少ないので相席などはよくあることなのだ。
「は……はい、どうぞ……」
乗り物酔いに耐えながらヨゾラは了承する。
「では、失礼する」
声を聞く限り、女の人だった。
仄かにいい香りがしてくる。
「体調が優れないのか?」
女の人はヨゾラの状態を見て心配そうに声をかけてくれる。
今日だけで2人に心配してもらえて、フィオーレの人達は優しいなと内心で思うヨゾラだった。
「いえ、すいません……酷い乗り物酔いで」
ヨゾラは初めて相席になった女の人を見るのだった。
「……美人な人だな」
見た瞬間、率直な感想が思わず口から出たのだった。
「ん?何か言ったか?」
ヨゾラはハッとなり、なに食わぬ顔で
「な、何でもないです」
綺麗な女性を見て少し気分が上がり我慢すれば会話できるぐらいまで乗り物酔い楽になった。
ヨゾラは思う……美少女は最高の薬だと
気を張って我慢すればだが
「そうか?ここで会ったのは何かの縁だ名前は?」
「僕はヨゾラ……貴女は?」
ヨゾラは名をを名乗り目の前の女性の名前を聞く。
「私はエルザ……エルザ・スカーレットだ」
緋色の髪をしていてカッコいい鎧とかわいいスカートを履いている美少女。
エルザ・スカーレット。
ふと、聞いたことがある、そして見たこともあると思いヨゾラは考える
そして、思い出した。
ルーシィお嬢様の部屋を掃除していた時に出てきた週刊ソーサラーの妖精の尻尾の魔導師特集に載っていた。
【妖精女王(ティターニア)】
「もしかして、妖精の尻尾のエルザさんですか?凄い!本物だ!これは、お嬢様に自慢できる」
ヨゾラは興奮する、なんせ有名な魔導師が目の前に居るのだから、そして、ルーシィお嬢様に良い土産話ができたと。
「私を知っているのか?照れるな」
エルザは照れくさそうにしていた、その一つ一つの仕草が綺麗に映る。
「超有名人です!、僕が仕えてるお嬢様も妖精の尻尾が大好きでよく話してたんですよ!」
「そうなのか?それは嬉しいな。ところで乗り物酔いは大丈夫なのか?」
エルザに言われ乗り物酔いを思い出す、有名な魔導師と出会ってはしゃいでいたため、酔いのことを忘れていた。
「うっ……思い出したら……」
思い出したら気分が悪くなってくる、本当に恨めしい乗り物酔い。
「すまない、思い出させてしまったか?」
「いえ、気にせず……」
エルザはあることを閃いた。
「失礼するぞ」
エルザはヨゾラの隣に座り
「……えっ!」
エルザはヨゾラの身体を横にして頭を膝の上に乗せる。
「ここは、天国ですか……お嬢様申し訳ないです」
そう、膝枕!!
世の男子なら誰もが憧れる膝枕。
「どうだ、少しはよくなったか?」
エルザはヨゾラの顔を覗き込む。
「さ、最高です!」
会って間もないのに膝枕をしてくれるとはさすがは、妖精女王ティターニア。
ヨゾラは日頃、ルーシィお嬢様以外は使用人仲間のおばちゃま達と一緒に居るので若い女性とは接点なく緊張気味である。
「私の仲間にも乗り物酔いが酷い弟のような奴がいるんだ。……お前を見ていたら思い出してな」
なるほど、自分以外にも酷い乗り物酔いが居るのかととヨゾラは同じ境遇の者が居ることにホッとする。
「少し良くなりました」
「それは、よかった……ところでヨゾラはどこの駅で降りるのだ?」
エルザはヨゾラに聞く。
「俺は……」
ヨゾラは降りる場所を伝えるのだった。
すると、エルザは
「私の降りる駅の前だな……ならば」
エルザは膝枕していた俺の頭を持ち上げ
「しばらく寝れば楽になるだろう……駅に着いたら起こそう…………おやすみ」
「へ?……俺、眠くはないですよ?」
「乗り物酔いはこっちの方が楽だぞ……私の仲間にも同じようにしてる」
エルザは
ゴンッ!!
自分の胸にヨゾラの頭を抱きしめる。
最高であろう。
美少女の胸に顔をうずめられるのだから
鎧がなければ…………
「ゆっくり、休むといい」
ヨゾラの意識は遠くなっていくのだった……
そして、同時に思う妖精の尻尾は頭がおかしいと
その後、ヨゾラはエルザに降りる駅で起こされて
別れを告げてハートフィリア屋敷まで帰路につく
腫れたたんこぶを擦りながら……
別れ際にエルザに
「また、どこかで会ったら介抱しよう。あと、困ったことがあれば妖精の尻尾に」
と、言われた。
「き、機会があればお願いします……」
エルザに苦手意識を持ちヨゾラとエルザは別れたのだった。
そして、再び
「妖精の尻尾の魔導師……やばい奴らだ」
妖精の尻尾をヤバい集団だと認識したのだった。
そして、ハートフィリア屋敷に帰ったヨゾラ
屋敷内は大騒ぎになっていた。
「ただいま帰りました!ってなんか騒がしい」
屋敷内では使用人達が大騒ぎしており、ヨゾラを見つけたスペットさんが
「ヨゾラ大変だよ!ルーシィお嬢様が家出した!」
ルーシィお嬢様の家出が発覚したのだった。
すると、ジュードが現れた。
「落ち着け、捜索の手配はしたお前達は仕事に戻れ!」
ジュードは落ち着いた様子で使用人達に指示をする。
「旦那様、ルーシィお嬢様が家出したとは本当ですか?」
ヨゾラはジュードに声をかける。
「あぁ、親不孝の娘がここまで育ててやった恩を仇で返しおって」
「そのようなお言葉は……」
ヨゾラが諌めようとしたが
「黙れ!……そんな事よりコーネリア殿には渡したのであろうな?」
娘の心配より使いの心配をする父親。
「申し訳ございません、任された荷物は無事にコーネリア伯爵にお渡し致しました…………旦那様、ルーシィお嬢様が心配ではないのですか?」
ヨゾラは、ジュードに問いかける。
そして、ジュードは
「もちろん心配だとも……ルーシィには大事な利用価値があるからな……それに捜索の手配をしてある時期に見つかる、それか、ルーシィは1人では何もできない、すぐに泣いて帰ってくるだろう」
「……しかし、我らも捜索を……」
すぐにでも屋敷の人達で捜しに行こうと提案するがジュードには拒否される。
「私は忙しい。娘の家出で手を焼いている暇はない。すぐに見つかる」
娘が家出しようと仕事優先。
旦那様は変わらない。
昔からルーシィお嬢様を相手にしようとしない、こんな時でも心配しないのか。
「旦那様……ですが……」
ヨゾラは今すぐにでもルーシィお嬢様を捜しに行きたいが
「……ふん。ならば、ヨゾラ、お前がルーシィを捜して連れてこい………お前に新たな任を任せる。ルーシィを探せ……できなければ、分かるな?」
なかなか引かないヨゾラにジュードは、めんどくさいのかどこか投げやり気味でルーシィ捜索を命じるのであった。
そして、命を下されたヨゾラは
「わかりました……すぐに捜索の準備に入ります」
ヨゾラは、ルーシィお嬢様捜索のため準備を始めたのであった。
「ルーシィお嬢様……どうか僕が迎えに行くまでご無事で」
ヨゾラは屋敷から出てルーシィ捜索の旅が始まるのだった。
ヨゾラの手には、ルーシィが家出をする前に、ルーシィの部屋に置いてあった手紙、スペットさんが見つけてヨゾラに渡してくれた。
ヨゾラへ
突然居なくなってしまってごめんなさい……。
お屋敷のみんなが嫌いになった訳じゃないの、
あたしはあたしのやりたい事をするために家を出ます。わがままでごめんなさい。
本当は一緒に連れて行きたかったけど、ヨゾラの人生だもん、あたしのわがままには付き合わせることができない。
だから、あたしは1人で行くね。
ずっと一緒に居てくれてありがとう。
お屋敷のみんなにもよろしくね。
あたしはみんなが大好き。
ルーシィ・ハートフィリア
後書き
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