金木犀の許嫁
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第四十八話 プールへの誘いその七
「この術もね」
「現実的じゃないわね」
「そうだよ、実際はお空飛ぶことも」
「忍者は出来ないわね」
「現実的じゃないから」
そうだというのだ。
「本当にね」
「じゃあ実際は」
「水蜘蛛もなくて」
「ムササビの術もなかったのね」
「それで大凧もね」
この術もというのだ。
「なかったよ」
「そうなのね」
「あったのは」
そうした術はというと。
「隠れたり逃げたり」
「そうした術ばかりね」
「何しろ手裏剣もね」
忍者の代名詞であるこの武器もというのだ、佐京は夜空に対して真剣な声で話していくのであった。
「一撃で倒すなんてね」
「敵をね」
「無理だしね」
「実際は刃短いし」
「手裏剣ってね」
「苦無にしても」
「そう、それこそ相手が鎧着けていたら」
その時はというと。
「相手の身体に届かないし」
「しかも重いのよね」
「鉄だからね」
手裏剣はというのだ。
「幾つも持てないし」
「投げて敵をやっつけるのは」
「あまり威力がなくてね」
そうであってというのだ。
「それでね」
「何かお箸投げる方がましなのよね」
「そうなんだ」
実際にというのだ。
「手裏剣って」
「漫画とかだと必殺の武器でも」
「そんなに投げられないし持てないし」
それにというのだ。
「威力もないから」
「サバイバルツールみたいに使うことが多かったのね」
「そうなんだ」
「現実の忍術は違うわね」
「うん、俺だってそんなこと出来たら」
「水蜘蛛とかムササビとかの術使えて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「手裏剣もね」
「必殺の武器なら」
「それならね」
「よかったのね」
「もっと言えば変身出来たり」
こうもだ、佐京は言った。
「蝦蟇使えたりね」
「出来たらよかったのね」
「あと雲に乗ってお空飛ぶとか」
「そうした忍術もあるの」
「漫画だとね」
昔のというのだ。
「あるんだ」
「それも凄いわね」
「もう妖術だけれどね」
「完全にね」
「それでね」
そうであってというのだ。
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