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金木犀の許嫁

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第四十八話 プールへの誘いその四

「そうした訓練もだよ」
「してるわね」
「そうだよ」
 こう夜空に話した。
「あの人達はね」
「それで忍者でも」
「そこまではね」
 流石にという口調で言った。
「泳げないよ」
「そうなのね」
「泳げないと駄目でも」 
 忍者はというのだ。
「海軍、海自にはいないから」
「そこまでいかなくていいのね」
「普通に長く泳げて溺れないなら」
 そうであるならというのだ。
「いいんだ」
「そうなのね」
「それで潜って」
 水の中にというのだ、佐京は五遁の術の一つである水遁の術のことを夜空に対してここで話すのだった。
「そこからね」
「水遁の術ね」
 夜空はそれならと応えた。
「あの術ね」
「そう、あの術を使える位にね」
「泳げたらいいのね」
「そうなんだ」
 こう言うのだった。
「忍者はね」
「そうなのね」
「うん、だからね」
「自衛官の人達位はなのね」
「いいんだ、選手でもないし」
 水泳のというのだ。
「あそこまでもね」
「泳げなくてもいいのね」
「そうだよ」
 こう夜空に話した。
「別にね」
「そうなのね」
「上手であるべきでも」
「専門じゃないのね」
「そうなんだ」
 このことは断るのだった。
「泳げたらいいから」
「そういえば」
 ここで夜空はふと思い出して言った。
「武士の人達も」
「泳げないと駄目だったよ」
「そうよね」
「武芸のうちにもあったし」
 水練といった。
「それでね」
「泳げないと駄目だったわね」
「いざという時に逃げる時に」
 その時にというのだ。
「馬に乗れて泳げたら」
「逃げられるから」
「だからね」
 それでというのだ。
「織田信長さんもそうだったし」
「泳げて」
「幸村公もね」
 自分達の先祖の主もというのだ。、
「ちゃんとね」
「泳げたわね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「あの方もね」
「そうだったのね」
「武士なら」
 そうであるならというのだ。 
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