金木犀の許嫁
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第四十八話 プールへの誘いその三
「怪我もするから」
「怪我が一番怖いわね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「だからね」
「怪我をしない為に」
「その為にね」
まさにというのだ。
「まずはね」
「準備体操して」
「そしてやるよ」
「何でも」
「水泳だってね」
「じゃあプールに行ったら」
「やるよ」
絶対にというのだ。
「準備体操をね」
「それではじめて」
「泳ぐよ、泳ぐとなったら」
それこそというのだ。
「かなりね」
「泳ぐのね」
「泳ぐだけで」
それだけでというのだ。
「俺はいいしね」
「泳ぐだけでいいの」
「うん、それも修行で」
そうであってというのだ。
「それもしたいし」
「プールに行ったら」
「そう、それで遊ぶことも」
「するのね」
「そのつもりだよ」
「じゃあ私ともね」
「遊ぼう」
佐京は自分から言った。
「そうしよう」
「修行もしてね」
「二キロも泳いだら」
そこまでというのだ。
「いい運動だしね」
「二キロって凄いわね」
「海だと十キロも泳げるよ」
そこまでというのだ。
「浮力があるから」
「海水だから」
「お塩が入ってるからね」
「そこまで泳げるのね」
「流石に十六キロは無理だけれど」
そこまでの距離はというのだ。
「海上自衛隊の人達みたいに」
「何で江田島ってそこまで泳ぐのよね」
「幹部候補生学校の訓練でね」
その中でというのだ。
「泳ぐらしいけれど」
「佐京君達もそこまでは無理なのね」
「うん、あの人達は特別だよ」
「自衛官の人達だから」
「何かあるとすぐに動いて」
そうしてというのだ。
「身体を張らないといけない人達だから」
「災害が起こっても」
「だからね」
それ故にというのだ。
「それ位泳げないとね」
「駄目なのね」
「いざという時には体力がないと」
さもないと、というのだ。
「どうにもならないし海上自衛官だと泳げないと」
「お話にならないわね」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
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