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金木犀の許嫁

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第四十八話 プールへの誘いその二

「運動でも汗をかいて」
「サウナでもですね」
「汗をかきまして」
 そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「健康なんですね」
「はい、それで水泳ですが」
 幸雄はこちらに話を戻した。
「プールで泳ぐとなれば」
「それならですか」
「喜んで」
 白華に笑顔で話した。
「一緒にお願いします」
「それでは」
 白華も笑顔で応えた、こうしてだった。
 主男も入れて五人即ち家族全員で行くことになった、夜空はそのことが決まってからそれで言ったのだった。
「じゃあ五人でね」
「楽しく泳ごうね」
 佐京は微笑んで応えた。
「そうしようね」
「ええ、本当にね」
「それで泳ぐ前は」
 佐京はあらためて言った。
「準備体操はね」
「忘れたら駄目よね」
「何でもまずはね」
「準備体操ね」
「忍術の稽古の前も」
 その時もというのだ。
「ちゃんとね、白華もね」
「準備体操をして」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「はじめているから」
「それで水泳の時もなのね」
「ちゃんとね」
 それこそというのだ。
「準備体操してるんだ」
「欠かさず」
「そうなんだ、まずはね」
「準備体操ね」
「それで身体をほぐして温めて」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「やるのよね」
「うん、それとね」
「それと?」
「お酒飲んで泳がない」
 こうも言うのだった。
「運動自体をね」
「すべきじゃないわね」
「そうだよ、だからね」
「お酒を飲んだら静かに」
「そうであってね」 
 それでというのだ。
「下手に動かないことだよ」
「じゃあお酒は運動の後ね」
「そうだよ、そのことも気を付けてるから」
 佐京は確かな声で話した。
「俺は」
「白華ちゃんも」
「二人共ね」
 まさにというのだ。
「そうしているよ」
「そうなのね、いいことね」
「うん、準備体操はね」
 それはというのだ。
「はじめにね」
「やって」
「そうしてからはじめないと」
 そうしなければというのだ。 
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