ドリトル先生の長崎での出会い
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第三幕その二
「その違いがあるけれど」
「日本ではあまり意識されなくて」
「日本にキリスト教が入った」
「そうした場所だって思われているね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「日本ではね」
「カトリックとプロテスタントの違いは意識されなくて」
「あまり考えられなくて」
「日本にキリスト教が入った」
「そのことの象徴だって思われているね」
「そうなんだ、そしてね」
ここで遠い目になって言う先生でした。
「この教会がある街に原爆が落ちてね」
「長崎にあった教会も壊れて」
「大変なことになったね」
「そうだったね」
「悲劇だったね」
「そうだったんだ、それが戦争だよ」
先生は悲しいお顔になって言いました。
「あらゆる命が奪われ多くのものが壊される」
「そうしたね」
「酷いものだよね」
「あって欲しくないね」
「出来る限りは」
「そう思うよ」
心から言う先生でした。
「私はね」
「全くだね」
「戦争だけはあって欲しくないね」
「本当にね」
「そう思うばかりだね」
「全くだよ、この天主堂もずっとね」
先生はイギリス国教会です、ですがその宗派の違いを越えてそのうえで心から思ってお話するのでした。
「あって欲しいね」
「全くだね」
「戦争がなくて」
「そうであってね」
「ずっとこの長崎にあって欲しいね」
「その通りだね」
先生もまさにと頷きます、そして大浦天主堂からグラバー園に行きますが緑が奇麗な古い丸い洋館を中それに外から観て回りますが。
皆は庭園もお池も観て思いました。
「ここも歴史があるね」
「幕末から明治の日本のね」
「志士の人達が来て」
「そしてグラバーさんとお話をしたんだね」
「まさにここでね、そしてね」
そのうえでとです、先生も言いました。
「有名な志士の人達がここから海も観たんだよ」
「奇麗な海だよね」
「長崎の海は」
「とてもね」
「奇麗だね」
「そのうえで日本のこれからを考えて」
そうしてというのです。
「お話もしたんだ」
「そうだね」
「ここから奇麗な海を観ながら」
「日本の未来を考えて」
「グラバーさんともお話したんだね」
「そうだよ、そしてね」
先生はここで着物を着た女の人が小さな男の子と一緒にいる銅像を観てそのうえで皆にあらためて言いました。
「ここは蝶々夫人の舞台でもあるんだ」
「プッチーニさんの歌劇だね」
「日本それもこの長崎を舞台とした」
「名作中の名作だよね」
「そうだよ、この場所にね」
まさにというのです。
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