世界の礎
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第一話その五
「非常にいい」
「そうなのですか」
「世の中が円滑に動くからな」
「それ故に」
「そうだ、だから作物を売ってな」
米等をいうのだ。
「利益も得る、いいな」
「人がたらふく食って」
「そして家畜にも食わせてな」
「売りもしますか」
「家畜達も食べるとだ」
多くというのだ。
「その分体格もよくなりだ」
「人と同じく」
「よく働ける、それで犬や牛達をな」
「育てていきますか」
「犬は番犬にもなり」
そしてというのだ。
「狩りにも使える、だからな」
「飼いますね」
「そうするのだ」
「わかりました、ですが作物を狙って」
「鼠だな」
義青はカニに述べた。
「出てきているな」
「それも問題です」
「鼠についても備えがある」
「といいますと」
「この生きものだ」
義青はカニに数匹の猫を出して話した。
「猫という」
「猫ですか」
「この生きものを家畜にしてだ」
そうしてというのだ。
「飼う、鼠を飼ってくれる」
「そうなのですか」
「もういるだけでだ」
猫がというのだ。
「鼠は逃げる」
「そこまでなのですか」
「だから猫も飼ってだ」
そうしてというのだ。
「鼠に備えるのだ」
「それでは」
「兎角今は作物だ」
これだというのだ。
「それを出していくからな」
「それで以てですね」
「食い売ってだ」
「利を得ますか」
「そうする、食うものがあるとな」
そうなると、というのだ。
「人も増える、人を増やすぞ」
「わかりました」
カニは自分の前に座す義青の言葉に頷いた、ウルは他の国に比べて遥かに食べるものに恵まれていてだった。
人々は食うのに困らずそれを聞いて人も集まった、それを見てだった。
義青はカニにだ、今度はこう言った。
「軍を大きくする」
「今度はそうしますか」
「そうするのだ」
「ではその軍を用いて」
「いや、みだりには用いない」
義青はカニに答えた。
「絶対にな」
「攻めないのですか」
「大軍を見せるのだ」
「他の国に」
「そうだ、そうして戦っても勝てないとな」
その様にというのだ。
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