金木犀の許嫁
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第四十七話 須磨の海その三
「あと距離もね」
「かなり泳げるの」
「プールでも何キロもね」
「凄いわね」
夜空は佐京の話を聞いて素直に驚嘆して述べた。
「それはまた」
「そうだよね」
「そこまで泳げたら」
それならというのだ。
「充分よ」
「そうかな」
「ええ、何キロも泳げるなんて」
それこそというのだ。
「かなりよ」
「水泳部の人達程じゃなくても」
「あちらは専門だから」
水泳のというのだ。
「また違うしね」
「それで言うんだ」
「ええ、あとね」
「あと?」
「海の方が浮かびやすいのよね」
「うん、塩があるからね」
佐京はそれでと答えた。
「プール、真水よりもね」
「身体浮かびやすいわね」
「あと身体に脂肪分が多いと」
身体のその仕組みのことも話した。
「浮かびやすいよ」
「筋肉質の人は浮かびにくいのよね」
「だからうちの学園でもそうした人はね」
「水泳苦手だったりするわね」
「筋肉が多いと」
そうした体質ならというのだ。
「どうしてもね」
「浮かびにくくて」
「水泳が苦手だよ」
「そうみたいね」
「身体には脂肪必要だしね」
「全くないと困るわね」
「そうだしね」
夜空に話した。
「だから忍者は少しでもね」
「脂肪も必要ね」
「うん」
そうだというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「一切脂肪がないと」
身体にというのだ。
「お水に浮かばないし」
「泳ぎにくくて」
「しかもね」
「そうそう、寒いのよ」
夜空はすぐに言った。
「身体に脂肪がないとね」
「ある程度でもね」
「ロシアのお婆さんが太っているのは」
それはどうしてかというと。
「脂肪があるとね」
「温かいからだよね」
「あそこは寒いから」
だからだというのだ。
「太ってないとね」
「やっていけないよね」
「だからね」
それでというのだ。
「太ってるし」
「そうだよね」
「忍者でもなのね」
「そうなんだ」
夜空に話した。
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