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金木犀の許嫁

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第四十七話 須磨の海その四

「太っていたら動きが鈍って」
「よくないけれど」
「脂肪が全くないと」
「かえってよくないわね」
「そして痩せ過ぎていたら」
 佐京はその場合も話した。
「体力ないし」
「それはそれでね」
「よくないよ」
「そうよね、太り過ぎはよくないけれど」
「痩せ過ぎもね」
「同じ位ね」 
 太り過ぎと、とだ。夜空は話した。
「よくないのよ」
「そうだよね」
「忍者も同じね」
「忍者はボクサーと違うし」
「あんな体重管理もいらないのね」
「ランクとかないから」
 ボクシングの様なというのだ。
「実は太っても痩せてもね」
「いいのね」
「素早く動けて隠れられるのが重要で」
 そうであってというのだ。
「体重制限はね」
「ないのね」
「そうなんだ」
 忍者はというのだ。
「実はね」
「だからなのね」
「うん、そんなね」
「ボクサーの人達みたいに」
「いつも体重管理する様な」
 そうしたというのだ。
「極端なことはね」
「ないのね」
「ないんだ」
 これがというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「うん、だから脂肪も」
「あっていいのね」
「ある程度ね、均整が取れていたら」
 そうした体格ならというのだ。
「いいんだよ」
「そうなのね」
「そうだよ」
「成程ね」
「痩せ過ぎはね」
 どうしてもというのだ。
「よくないし」
「太り過ぎもで」
「特にね」
「特に?」
「筋肉ばかりだと」
「お水に浮かなくて」
「水泳にはね」
 これにはというのだ。
「絶対にね」
「よくないのね」
「そうなんだ」
 これがというのだ。
「水泳は大事だし」
「忍者にとって」
「そうだしね」
 だからだというのだ。
「だから食べることはね」
「節制していないわね」
「よく食べて」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「よく働くよね」
「そうしてね」
 そのうえでというのだ。 
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