ドリトル先生の長崎での出会い
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第一幕その十一
「世界一周出来たらね」
「凄かったね」
「実際に出来るかどうか賭けをしたお話もあったね」
「それで達成出来た」
「凄く面白いお話だったね」
「そうした時代でね」
そうであってというのです。
「今だとプッチーニさんが生まれて暮らしたイタリアから日本まで飛行機で半日位で行くことが出来ても」
「それでもだよね」
「あの頃はそんなすぐに行けなくて」
「プッチーニさんもだね」
「あの人もだね」
「日本に行ったことはなかったよ」
そうだったというのです。
「実はね」
「そうだったね」
「あの人もね」
「思えば僕達も昔は旅行大変だったし」
「イギリスから他の国に行き来するにも」
「そうだったね、蝸牛の中に入って」
先生はその時のことも思い出してお話しました。
「イギリスまで戻ったことがあったね」
「時間をかけてね」
「トミーと一緒だったね」
「あの時の冒険も楽しかったね」
「本当に」
「そうだったね、今じゃ船もね」
こちらもというのです。
「ディーゼルで動いてね」
「速いよね」
「原子力のものもあるし」
「昔の船とは比べものにならない速さで進むから」
「行き来も楽だね」
「そうなったよ、僕達も昔みたいな大航海は」
時間をかけたそれはというのです。
「することはなくなったよ」
「そうだね」
「そうなったね」
「今はね」
「すっかりね」
「時代が変わってね」
そうしてというのです。
「文明も進歩したからね」
「八十日どころかね」
「世界旅行もあっという間に出来るし」
「船でもね」
「そうなったしね」
「今プッチーニさんがいたら」
それならというのです。
「きっと来日していたよ」
「そうだね」
「そして現地を観ていたね」
「蝶々夫人の舞台を」
「長崎を」
「うん、長崎はね」
この街はというのです。
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