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ドリトル先生の長崎での出会い

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第一幕その五

「ラガーマンの中では小さくでも」
「普通の日本人の中じゃ大きいよ」
「むしろね」
「そう言っていいよ」
「本当にね」
「そうだね、日本人は比較的小柄だから」
 それでというのです。
「僕だとね」
「普通に大きいよ」
「結構以上にね」
「実際先生目立ってるし」
「背の高さでもね」
「そうだね、小柄と言われていたのが嘘みたいだよ」
 かつてを振り返って思うのでした。
「本当にね」
「何かと変わるものだね」
 王子はまた言いました。
「世の中もそうでね」
「誰でもだね」
「王子だってそうでね」
「イギリスの大学に留学してね」
「オックスフォードにね」
「そしてね」
 それでというのです。
「そのうえでね」
「今はだね」
「日本に留学してだね」
「学んでいるよ」
「学問に世の中のことを」
「そうしているよ」
「そうだね」
「イギリスもいい国だね」
「日本もだね」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「何かと学問にね」
「励んでいるね」
「そうしているよ」
「八条大学でね」
「大学院だね」
 そちらだというのです。
「正確に言うと」
「博士課程だね」
「うん、学問もね」 
 こちらもというのです。
「王様になるなら」
「教養は必要だからね」
「礼儀、マナーにね」
 そうしたものにというのです。
「それにね」
「さらにだね」
「知性や知識、教養も」
 そうしたものもというのです。
「全部ね」
「必要だよ」
「そうだね、何もなくて」 
 そうであってというのです。
「剝き出しの下品さや嘘や罵倒や誹謗中傷ばかりなら」
「駄目だよ」
 先生は一言で答えました。
「王様、国家元首どころかね」
「人としてだね」
「そして思いやりや公共心、遵法精神もね」
「必要だね」
「そうしたものが一切ないなら」
 それならというのです。
「もうそんな人はね」
「否定するしかないね」
「そうだよ」
 まさにというのです。 
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