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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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アレフガルドの夜明けばい!

小うるさいアルルさんの文句は止まらず、一方的にお父さんを非難する。
お父さんはお父さんで全然気にしてないから、更にアルルさんを怒らせる。
悪循環ですねぇ~…

彼氏とご両親が宥めた後も、一人ブツブツ呟いてます。
何でこんなに小うるさいんだろう?
もっと広い心が欲しいですね。



「と、ところで………遂に大魔王ゾーマを倒しましたね!」
この嫌な空気に胃が痛くなったのだろう…
ルビスちゃんが話題を変える為、引きつった笑顔で出来る限り明るい口調に努め喜んでいる。

「そ、そう言えばそうよね…リュカさんの所為でその事にも気付かなかったわ!」
しつけーな…
「アルルは何でも僕の所為にするなぁ…」
まったく…いい加減にしてほしいわ!

「リュカ…これで私達もグランバニアへ帰れるわね」
「そうだね…ビアンカまで巻き込んじゃって本当にゴメンね。絶対ビアンカだけは危険な目に遭わせたくなかったのに…あのヒゲメガネめ!」

いい加減アルルさんを怒らせるのを止めてもらいたいお母さんが、グランバニアへ帰れる事を喜んでるフリをして、お父さんの意識を自分へと向ける。
腕に抱き付きオッパイを押し付けての行動だった為、大成功でした。

「あ、あの…ともかくはラダトームに帰りましょう。皆さんを送り返すのはその後でもよろしいですよね?」
ヒゲメガネに引き続き、自分も怒られると思ったのか、ビビリながらラダトーム行きを提案するルビスちゃん。

「勿論大丈夫だよ。つか、ラダトームではオルテガっちの楽しい一悶着があるはずだから、それを見ないで帰るつもりは毛頭無いよ!」
嫁とイチャつく事で忙しく、ルビスちゃんへの怒りは発生せず、代わりにオルテガさんへの面白感情が優先された。

「ふっ…世界を救った勇者様に対し『娘を孕ませたから責任取れ!』とか言う奴は居ない!だってルビスちゃんが助けてくれるもん!ラルスのアホが何を言ってきたって、世界を救った英雄に対しては何も出来ないもん!」

義理の息子が立てた作戦を、胸を張って自慢するオルテガさん。
「このオッサンは…」「懲りない男だ…」と、罵声が飛び交うパーティー内。
成功しますかね?






「うわ、眩しい!!」
ルビスちゃんの魔法により一瞬でラダトームの側まで移転した私達。
お空には眩しい太陽が輝いている。

「えぇ…本当に眩しいですねリュカ。太陽とはこんなにも眩しい物なのですね」
アレフガルドに太陽が戻り、自身のパワーも少しずつ回復している彼女は、平和な世界を喜びつつ笑顔を振りまいている。

「ちょっとティミー!何でアナタが顔を赤くするの!?」
男受けする女神(おんな)の笑顔に顔を赤くするお兄ちゃん。
彼女の嫉妬に晒され困っている……でも、よく思い出せ。
私達の祖母(ばぁ)さんにクリソツなんだゾ!

「アルル…それくらいは許してやれ!笑顔見て顔を赤くしている程度では絶対に浮気はせん!逆に笑顔で見つめ返す様になったら手遅れだ。もう既に愛人の2人は居るぞ!」
いや、だから…祖母(ばぁ)さんにクリソツなんだってば!

「お父さんとティミーを一緒にしないでよ!私の彼氏は愛人なんか作らないわよ!そんなアホな事する男じゃないの!」
お前…実父と義父を完全否定してるゾ!
折角全てが終わり平和になったのに、何をそんなに苛ついてるもだろう?

「アルル…お義父さんにそう言う言い方をするもんじゃないよ。折角10年ぶりに会えたのだから、もっと素直になった方がいいよ」
「だ、だって………折角再会出来たのに…全然甘えさせてくれないんだもん………」
………ファザコンが此処にも居た!

まさかのファザコン・アルルに、ちょっと引きますわ。
でも…よく分かったわね、お兄ちゃんは…
彼女(アルル)さんの事なら何でもお見通しなの?

「おいおい…彼氏が居るのだから、俺になんか甘えるなよ。大好きな彼氏とベッタリシッポリ○○○○○○してろよ」
ダンディー・オルテガが、ちょっと嬉しそうに照れ隠しをする。
良いわね…この雰囲気。平和って素敵ね。




「さて…何時までも此処でこうしている訳にもいきません。そろそろラダトームに行きませんか?」
ルビスちゃんが遠慮がちに帰る事を促す。
流石にこのマッタリ空気は壊したくなかったのだろう…

「その事なんだけどさぁ…別にラダトームに行く必要って無くね?お天道様が出てきたのを見れば、大魔王は倒された事なんて一目瞭然じゃん!わざわざ報告する必要も義務もないよ…このままルビスちゃんのお力で、俺等をアリアハンへ送ってくれないかな?」

「あ、あの………その………出来ません…………」
オルテガさんの悪あがきを、申し訳なさそうに断るルビスちゃん。
私は知っていたけど、もうアリアハンには帰れないのよね。

「あ゙…何でさ!?」
「あの…それが…」
ちょいキレ気味のオルテガさん…ルビスちゃんは身を縮めて言い辛そう。

「どうやら…ゾーマを倒した事により…アリアハンのある世界と、アレフガルドとの接点が失われ…い、行き来が出来なくなったようです……………」
「「「…………………えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!?」」」

「ちょ、待て!まさか僕等もグランバニアへ帰れなくなったって事は無いよな!?」
「そ、それは安心してください。リュカ達の世界にはマスタードラゴンという神が存在し、彼と連絡を取る事で双方向からゲートを繋げる事が出来ます。従って帰還は可能です」

当然よね!
無理矢理連れてきといて“帰れ無くなっちゃいました(テヘ)”なんて許されないわよね!
そんな事したら、お父さんが次の大魔王になっちゃいますよね。

「ルビス様…何とかならないのですか?アリアハンにはお爺ちゃんを残してきたんです。家族揃って無事を伝えないと………」
いいんじゃね、あんな俗物は放っておいても?

「ごめんなさい…私だけの力ではどうにも…た、魂だけなら送れるんですけど…」
「魂だけ?ねぇルビス…それって『転生』ってヤツか?」
なるほど…つまり私とお父さんは、元居た世界の神(っぽい奴)に魂だけ追い出されたのね。

「そうです転生と呼ばれてますね…よくご存じですね!?」
「あぁ…うん。経験者だから!」
「え?父さん、経験者って…」

………って、オイ!
こんなところでカミングアウトすんのかよ!?
一生の秘密にしないのかよ!

「ん?…うん。僕は転生者だ!以前は別の世界で違う人生を送っていたけど、どういうワケだか分からんけど、パパスとマーサの息子…リュカとして生まれ変わったんだ。だから見た目より人生経験豊富です!」

「か、母さんはご存じだったんですか!?」
「知っていたわよ…でもそれが何?リュカはリュカでしょ。どんな人生を送っても、貴方の父親に変わりはないでしょ!?」
うん。その通りだ!
転生者だろうが、お父さんはお父さんだ。

「あはははは…これで分かったろティミー。僕は大した人間じゃないんだ…グランバニアの治世も、前世の記憶をフル活用しているだけ!僕が自ら発案したワケじゃないんだよ」
いや…それでもお父さんは凄い人だと思います。
面倒なトラブルメーカーだけどね。

「前世では『周囲に迷惑をかけてはいけない』と教わらなかったんですか?」
あははははは。
きっと教わってきたのだろうけど、今の自分の行為が迷惑行為だと思ってないんだよ。
非常識人だから!



 
 

 
後書き
よ~し、頑張って明日も更新するゾー!
何時もの様に0:00だからね。
みんな期待しててね! 
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