金木犀の許嫁
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第四十五話 鯨肉その六
「皆使わないわ」
「そうよね」
「だからね」
それでというのだ。
「もうこのままね」
「誰も使わなくて」
「そのうち解体になるかもね」
「折角建てたのに」
「北海道の子もね」
「お姉ちゃんのお友達も」
「ああなったのは自業自得だってね」
その様にというのだ。
「言ってるし」
「それじゃあ」
「もうね」
それこそというのだ。
「どうしようもないわ」
「解体するしかないのね」
「このままだと赤字のままだから」
「誰も使わないとね」
「そう、建物の維持費に職員の人達の人件費もあるし」
それでというのだ。
「誰も使わないなら」
「赤字になるわね」
「それでもうね」
「赤字ね」
「ドームの方は強気だったけれど」
日本ハムが去った後だ。
「その強気もね」
「今はなのね」
「もうなくてね」
それでというのだ。
「困り果てているみたいよ、IWCもね」
この組織もというのだ。
「最初は強気だったのよ」
「日本が出て行っても」
「平気だって思ってたのよ」
「それが」
「そうだったのね」
「それがね」
「お金も調査も」
「日本がいなかったら」
そうなればというのだ。
「どの国もね」
「駄目で」
「それでよ」
「どうしようもなくなってるのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「これがね」
「滑稽なお話ね」
「そうだけれどね」
それでもというのだ。
「実話よ」
「そうなのね」
「それでね」
真昼はさらに話した。
「逆に日本はね」
「鯨をなのね」
「前以上に食べられる様になったのよ」
そうなったというのだ。
「有り難いことにね」
「日本にとってはよかった」
「そうよ」
実際にというのだ。
「私はそう思ってるわ」
「鯨肉が安いなら」
夜空はそれならと話した。
「私はね」
「それでいいわね」
「ええ」
そうだというのだ。
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