ハッピークローバー
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第百五十話 妖怪がいる余裕その二
「恐竜がいるにはな」
「難しい場所なの」
「一種類の生きものがあるには十つがいずつ二十匹は必要でもな」
「ネス湖にネッシーが二十匹もいたら」
「すぐに目立つな、タキタロウだってな」
日本の東北のある湖にいるというこの大型の淡水魚もというのだ。
「大きな川魚で湖の深いところに実際にいるらしいな」
「何十匹か」
「殆ど水面に出ないからな」
深いところにいてだ。
「観た人が少ないけれどな」
「調べたらいたの」
「機械使って湖の中調べたらな」
ソナーや魚群探知機を使ってそうした結果である。
「数は少なくてもな」
「いるのね」
「タキタロウはな、けれど一メートルもないからな」
「何十匹いても見つかりにくいのね」
「しかも深い場所にいるからな、基本」
「そうなのね」
「けれどネッシーが恐竜だったらな」
よく言われている様にというのだ。
「何十匹もいたら目立つだろ」
「そうね」
富美子もそれはと頷いた。
「滅茶苦茶大きな湖でもないらしいし」
「だから湖の底に穴があって海につながっていてな」
「海から来てるか」
「それかな」
越智はさらに話した。
「川を伝ってな」
「海から来てるの」
「海から皮を伝ってネス湖に鮭が来るんだよ」
「その酒を追いかけて」
「来てるって話だな」
「じゃあネッシーって実は基本海にいるの」
「そうじゃないかっていう説あるな」
「だからネス湖じゃ死体とか見付からないのね」
「そうかもな、そして姿形もな」
今度はネッシーのそれの話もした。
「コブがあったりなかったり幾つもあったりするだろ」
「そうなの」
「仲には角があったりするんだよ」
「角もなの」
「だから恐竜じゃなくてな」
「別の生きものなの」
「アザラシとかイルカとか言う人がいてな、でかい軟体動物とかな」
そうした説もあるというのだ。
「ナメクジとかな」
「そうも言われてるの」
「あとでかい海蛇とか鰻っていう人もいるな」
「色々な説あるわね」
「岸辺に上がってる時もあるしな」
「何か色々ね」
「俺が思うにな」
越智は自説も述べた。
「岸に上がったりしているから海にいるアザラシか何かだろ」
「大きな」
「学園の動物園にゾウアザラシいるだろ」
この生きものの話もした。
「キタゾウアザラシ、ミナミゾウアザラシってな」
「どっちも大きいわよね」
「ああしたアザラシじゃないのか」
「大型のアザラシね」
「それがネス湖まで来るとな」
「恐竜にも間違われるわね」
「そうだろ、あとな」
越智は富美子に真顔で話した。
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