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第百五十話 妖怪がいる余裕その一

                第百五十話  妖怪がいる余裕
 富美子は休憩時間の間越智と一緒に文化祭の色々な教室の展示を観ていた、その中には恐竜ののことを書いたりイラストで展示しているクラスもあったが。
 紹介されている恐竜達の説明やイラストを観てだ、達川は言った。
「俺恐竜好きなんだよ」
「そうだったの」
「でなくて恰好いいだろ」
「ああ、ティラノサウルスとか」
「そうだろ、恰好いいだろ」
「そうね」
 富美子はトリケラトプスのイラストを観て越智に答えた。
「私も結構好きよ」
「それは何よりだな」
「実際何メートルもあってよね」
「ああ、こうした外見でな」
「恰好いいわね、昔の地球はこんな生きものがいたのね」
「恐竜の時代は長くてな」
「人間の時代よりもずっとね」
「人間は原人入れて数万年でな」
「恐竜は億単位よね」
「それだけな」 
 まさにというのだ。
「ずっとな」
「恐竜の時代だったのよね」
「地球はな」
「まだいるのよね」
 富美子は今度はプレシオサウルスのイラストを観て言った。
「そうよね」
「おい、今観てるの恐竜じゃないらしいぞ」
「プレシオサウルスが?」
「大型の水棲爬虫類だぞ」
「いや、恐竜でしょ」
 富美子は一緒に観ているプレシオサウルスのイラストを指差して反論した。
「どう見ても」
「昔はそうなっていたらしいけれどな」
「今は違うのね」
「ああ、何か恐竜は骨格に特徴があってな」
 そうであってというのだ。
「水棲だとな」
「その特徴がないの」
「それでな」
 その為にというのだ。
「そう呼ぶんだ」
「そうなのね」
「ああ、まあそれでも恐竜って言ってもな」
 越智は今度はティロサウルスのイラストを観て話した。
「いいな」
「そうよね」
「大きいしな」
「それならね」
「ああ、それで今もいるって話だな」
「ネッシーとかね」
「ネッシーは恐竜じゃないだろ」
 越智は疑問形の言葉で返した。
「いてもな」
「いるわよね」
「インチキの写真や嘘もあるけれどな」
 それでもというのだ。
「観たって人が多いのも事実だしな」
「じゃあいるわね」
「グーグルの衛星動画でも映ってたしな」
「じゃあ確実にいるでしょ」
「流木とか生きものの死骸だったりすることが多いんだよ」
 越智は富美子にこのことを話した。
「ネッシーってな」
「そうなの」
「周りが山だからな」
「それで木が湖に落ちるの」
「ああ、そもそもネスコ自体は水が冷たいしあまり生きものもいないしな」
 そうした湖でというのだ。 
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