八条学園騒動記
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第七百七十六話 普通にいる幽霊その十一
「その人の公式サイトでね」
「おめでとうございますって言われるの」
「もう私そのコメント見て想像したわ」
その想像したものも話した。
「その人が変身して」
「ヒーローに」
「正座して恭しく頭を下げる」
「一礼するのね」
「そうした光景をね」
それをというのだ。
「想像したけれど」
「壮絶な光景ね」
アロアも想像してみて言った。
「それはまた」
「そうでしょ、目の前でね」
「ヒーローが正座してね」
「恭しく深々とよ」
「頭を下げるなんて」
「そうするなんてね」
それこそというのだ。
「凄いでしょ」
「それがお生まれになった時ね」
「そうなのよ」
「まあそんな人滅多にいないわね」
「それぞれの皇室か王室の方位よね」
「それで特に日本はそうなのね」
「四千年の歴史があって」
皇紀に従うとだ。
「皇室だからね」
「王室じゃなくて」
「そこにあるものもね」
「凄いのね」
「そうなのよ」
「それで我儘も言えなくて」
「ヒーローにね」
お生まれになられた時にというのだ。
「おめでとうございますって言われる」
「そんな人生ね」
「スタートからね」
その人生のというのだ。
「決定的に何かが違う」
「凄いわね」
「だからね」
それでというのだ。
「私はね」
「皇室にはなのね」
「生まれなくてよかったっていうのね」
「私には無理よ」
二人に言った。
「絶対に」
「まあ普通の人にはね」
「無理よね」
二人もこう言った。
「物凄く窮屈でね」
「自由が全くないから」
「生活の楽しみもね」
「本当にないから」
「だから敬愛もするわ」
こうもだ、彰子は言った。
「皇室の方々は」
「自由がないのにね」
「ご公務をしておられるから」
「それもいつも笑顔」
「口調も穏やかでね」
「そうよ、昔はね」
彰子は苦い顔で話した。
「皇室反対とかね」
「言う人いたの」
「そうだったの」
「今はそう言うなら他の国に行けってね」
その様にというのだ。
「言われるけれどね」
「連合は君主制か共和制から決まったら変えられないからね」
アロアが言ってきた。
「建国か連合に参加した時に」
「だから日本もね」
「連合の中にあったらね」
「ずっと皇室を戴くからね」
このことが法律で決まっているからだといいうのだ、彰子は三人で露天風呂に移る中でアロアに話した。
「だからね」
「皇室反対って言ったら」
「他の国に行って」
「そこで共和制の国建国しろってなるわね」
「そうだけれど昔はね」
「そういうこと言う人いたの」
「大抵そう言って」
皇室そうした者達は天皇制と言っていたがそれに反対してだ。
「北朝鮮はね」
「いいのね」
「世襲の独裁国家はね」
しかも共産主義の看板を掲げてだ。
「そうだったけれど」
「北朝鮮の方が問題でしょ」
「けれどね」
そうであるがというのだ。
「そうした人もいたのよ」
「それは何かね」
アロアはその話を聞いて言った。
「矛盾してるわね」
「それで北朝鮮の独裁者のお風呂って」
彰子はその話もした、極めて苦い顔で二人に話すのだった。
普通にいる幽霊 完
2024・8・16
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