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アフリカ系が活躍して

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第二章

「そうは思わないだろ」
「何処が?」
「そうだ、差別はそんなものだ」
「その人が勝手に思い込んでいるだけだね」
「少なくても肌の色が違ってもな」
「変わらないね」
「そうだ、大事なのはな」
 それはというと。
「その人がどうかだ」
「ブーマーもブライアントも凄いね、黒人の何処が悪いのかな」
「そういうことだ、その考えを忘れるなよ」
「うん、忘れないよ」
 照治は父に約束した、そうしてだった。
 その日の試合を観戦してブーマーだけでなくブライアントも観て凄いと思った、その考えは他のチームの黒人選手を観ても変わらず。
 大人になってもだ、彼は阪神タイガースの助っ人達の活躍について働いている工場の中で言っていた。
「阪神の助っ人っていうとバースだな」
「ですよね」
「やっぱりあの人ですよね」
「二年連続三冠王で」
「阪神を日本一にもしましたし」
「あの人は特別ですよね」
「そうだな、けれどな」
 若い社員達に休憩時間の時に工場の中で話すのだった。
「あの人だけじゃないな」
「阪神の助っ人はそうですね」
「他にも色々な人いましたね」
「ウィリアムスにしてもそうで」
「ムーアもよかったですね」
「オマリーもよかったし」
「阪神の助っ人も色々だな、他にな」 
 照治は自然に彼等の名前を出した。
「フィルダーもノイジーもな」
「よかったですね」
「フィルダーは一年だけでも」
「その人達もよかったですよね」
「白人でも黒人でもな」
 人種に関わらずというのだ。
「活躍してくれるな」
「昔はカーランドいましたしね」
「アルトマン来てくれたこともあって」
「助っ人に人種関係ないですね」
「活躍してくれたら同じですね」
「若しな」 
 照治は笑顔でさらに言った。
「ブライアントやブーマーが阪神にいたら」
「ああ、昔の助っ人ですね」
「昭和の頃の」
「その頃の人達ですね」
「どうだったろうな、実際今ホークスでな」
 パリーグのこのチームでというのだ。
「モイネロ凄いしな」
「滅茶苦茶凄いですよね」
「えげつない位に」
「ホークスいい助っ人いますね」
「あそこの主力の一人ですね」
「黒人が何だっていうんだ」
 照治は真顔で言った、子供の時の様に。
「それで凄い凄くないが決まるか」
「違いますよね」
「活躍しなかったら同じですからね」
「阪神なんか暗黒時代凄かったですよね」
「キーオだけが奮闘してて」
「キーオは白人だけれどよくやってくれてな」 
 そうであってというのだ。
「ノイジーは黒人でもだろ」
「よくやってくれました」
「シリーズでも」
「やってくれました」
「人種関係ないんだよ」
 それこそというのだ。
「その人がどれだけ凄いかだ」
「全くですね」
「問題はそこですね」
「肌の色とかじゃないですね」
「ミセリなんて何人でも嫌だろ」
 忌まわしき邪悪の権化巨人にいたこの助っ人はというのだ。 
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