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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその四十八

「無茶苦茶酷いわ」
「人間としてですね」
「ええ、けれどこうしてね」
「一緒にひのきしんするとですね」
「いいわ、まあおみちでも人に押し付けてばかりの人いるけれどね」
 それも偉そうにです。
「都合のいい時だけへらへらするとか」
「僕もそういう奴知ってますよ」
「そうしたこと言ってたわね、けれどね」
「言わないことですね」
「そう、言わなかったらね」
 それならです。
「何にもならないから」
「言葉に出したら駄目ですね」
「新一君は出し過ぎるわ」
 言葉にです。
「それがね」
「僕の悪い癖性分の一つですね」
「嫌いな相手にしてもね」
 新一君が一番問題な癖性分もです。
「言い募るでしょ」
「ずっと」
「それがよくないから」
「出来るだけ、ですね」
「言わないで」
 そうしてです。
「何でもね」
「やっていくことですね」
「言葉は出したら戻らないから」
 私自身こうしたことが何度もありました、失言してしまいますと本当にそれで何もかもが終わってしまいます。
「気を付けてね」
「失言注意ですね」
「口は禍の元よ」
 こう言ったところで祖霊殿の前に来たのでまた三人で参拝させてもらいました、それが終わってからまたひのきしんに入りますと。
 先輩がすぐにです、私に言ってきました。
「ちっちの言う通りなのよね」
「といいますと」
「だから口は災いの元よ」
 このことを言われるのでした。 
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