姪とデート
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第二章
文也は美嘉を連れてテーマパークに行った、そこで美嘉が行きたいという場所に連れて行って食べたいものを食べさせた。
そうして色々巡っているとだった。
ばったりとだ、同じ職場の後輩のOL内田夕実小柄ですっきりした顔立ちで黒髪を長く伸ばしラフナジーンズ姿の彼女と会った。
夕実はすぐに美嘉を見て言った。
「先輩のお子さんですか?」
「俺結婚してないの知ってるよね」
「そうですよね」
「ついでに言うと彼女もいないよ」
「じゃあその娘は」
美嘉を見たまま言った。
「まさか」
「誘拐とか言わないでね」
「そうした趣味もないですよね」
「俺が好きなのは大人の独身の女の人だから」
「年上の」
「そうだよ、だからね」
それでというのだ。
「間違ってもだよ」
「その娘はそうした相手じゃないですね」
「姪だよ」
このことを正直に話した。
「姉さん夫婦の娘だよ」
「そうなんですね、何か全くです」
夕実は今度は文也の顔も見て言った。
「全然似てないんですが」
「この娘は母親似なんだ」
「先輩じゃなくて」
「そうなんだ」
「物凄く可愛いですが」
「姉さんが美形だからね」
それでというのだ。
「この娘もだよ」
「そういうことですか」
「うん、今日は姉さん夫婦が忙しくて」
このことも正直い話した。
「それでね」
「ここにですね」
「連れて来たんだ」
「そうなんですね」
「だから疚しいことはないから」
「デート中ってことですね」
「デート?誰と?」
文也は夕実の今の言葉にいぶかしんだ声で問い返した。
「俺がだよね」
「ですからこの娘と」
「姪でまだ幼稚園児だけれど」
「それでも女の子じゃないですか」
文也に笑って話した。
「私もデート中ですけれど」
「今一人だけれど」
「ちょっとトイレ行ってまして」
その相手はというのだ。
「今です」
「いないんだ」
「はい」
この場所にはというのだ。
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