姪とデート
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第三章
「そうなんですよ」
「そういうことだね」
「はい、そして」
そうなっていてというのだ。
「今は待っています」
「そういうことだね、じゃあ俺は他の場所に行くから」
「デート続行ですね」
「だからデートじゃないから」
このことは真顔で否定した。
「本当にね」
「そうですか」
「そうだよ」
即座に答えた。
「俺は付き添いで」
「姪御さんの」
「存分に楽しんでもらってるんだよ」
そうだというのだ。
「折角のテーマパークだしな」
「そういうことですね」
「そう、今日は夕方まで」
「楽しんでもらうんですね」
「そうするよ、じゃあこれで」
「はい、じゃあまた明日」
「会社で会おう」
笑顔で言ってだった。
文也は夕実と別れた、そのうえで姪を存分に遊ばせた。常に手を放さず目をやって万が一がない様にもした。
そして満足しきった姪を連れて夕方にテーマパークを後にし。
それから家に帰ったが姉にどうしたか話すとだった。
「甘やかし過ぎよ」
「そうかな」
「随分好きにさせたのね」
「色々行きたいところや食べたいもの聞いてね」
「その通りにしたのね」
「そうだよ」
「それはかえってよくないから」
こう言うのだった。
「楽しませるのはいいけれど」
「甘やかしてたかな」
「ええ、今度から気を付けてね」
「そうなのかな」
文也は姉の言葉に首を傾げさせた、だが結婚して自分が息子を持って同じことを言われてわかった。だがそれでも甘いままだったのは彼の性格故だった。
姪とデート 完
2024・11・16
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