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星河の覇皇

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第八十七部第四章 首相官邸にてその四

「特にね」
「言わないことですね」
「そうよ、昨日もあったわね」
「サイバー攻撃は」
「昨日は二件あったわね」
「ブラジル、そしてニジェールから」
 この二国からというのだ。
「ありました」
「どちらの国も友好関係にあって」
「共に中央政府に対していますね」
「ええ、けれどね」
「それが連合ですね」
「そして中央政府ともね」
「今は権限のことで対立していますが」
 秘書官も言った。
「環境ではです」
「全面的によね」
「協力を宣言しています」
「そうね、だからね」
「全面的にはですね」
「対立していないわ、連合で全面的な対立は」
 それはというと。
「まずね」
「ないですね」
「ええ、各国政府の間もそうで」
「中央政府と各国政府の間も」
「同じよ」
 このことはというのだ。
「決してね」
「全面的な対立は」
「ないわ」
 それはというのだ。
「一面では争っていてもね」
「別の一面では手を結んでいますね」
「二元論はね」
 善悪の観念に代表されるそれはというのだ。
「連合ではね」
「ないですね」
「完全なホワイトもないけれど」
「完全なブラックもですね」
「ないわ」 
 連合ではというのだ。
「とてもね」
「それが連合ですね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「グレーがね」
「ホワイトとブラックの間の」
「それが極めてね」
「広いものですね」
「そうよ、だから中央政府にもね」
「言わないことですね」
「言わない代わりに」
 それでもというのだ。
「こちらもね」
「工作を続けますね」
「そうするわ、サイバー攻撃の後は」
 報復を受けたそれのというのだ。
「一番得意なやり方でいくわ」
「買収ですか」
「人には欲があるわ」
 伊東は微笑んで言った、目もそうなっているがその目にある光にはゲームを楽しむ様なものがあった。 
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