星河の覇皇
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第八十七部第四章 首相官邸にてその五
「そしてその欲をね」
「衝くことですね」
「お金が欲しい人もいれば」
「宝石にですね」
「金塊、女性や男性に」
「他にもですね」
「色々あるわ、本もね」
これもというのだ。
「あるわ、ただね」
「権力だけをですね」
「求める人もいるわね」
「はい、どうしても」
「これは少しね」
どうにもというのだ。
「厄介よ」
「その座を用意出来るなら兎も角」
「それが出来ない場合もあるわ」
「お金やものとは違い」
「権力というのはピラミッドよ」
「それ故に上に行く程ですね」
「席が少なくなるわね」
こう言うのだった。
「どうしても」
「それもトップになると」
「一つよ」
「他に相応しい人がいれば」
「就けないわ」
「だからですね」
秘書官も言った。
「権力欲だけの人は」
「どうにもね」
「取り込みにくいですね」
「そうした人もいるわ」
世の中にはというのだ。
「中にはね」
「そして他にもですね」
「欲の希薄な人はいるわ、けれど」
「それならそれで、ですね」
「やり方はあるわ」
「調略は」
「そうした人は弱みをね」
それをというのだ。
「握ることよ」
「左様ですね」
「弱みはね」
これはというと。
「やはりね」
「ありますね」
「そうよ、それを掴んで」
そうしてというのだ。
「裏からね」
「話すことですね」
「ケネディ大統領にもあったわ」
アメリカ史上最も若い大統領だった彼もというのだ、そしてアメリカ史上初のカトリックの大統領でもあった。
「彼にもね」
「女性問題ですね」
「そちらは派手な人だったから」
その為にというのだ。
「実はね」
「そこに弱みがあって」
「フーバーに付け込まれたわ」
当時FBI長官にあった彼にだ。
「そこを握られてね」
「彼を辞めさせたかったですが」
「それが出来なかったわ」
「そうでしたね」
「フーバーも謀略家だったわ」
「情報収集に秀でていて」
アメリカの治安を司る者としてだったが個人の権力の為にもだった、この人物は権力欲も強かったのだ。
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