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第百四十七話 文化祭開催その十一

「特集のコーナーがね」
「あるかも知れないのね」
「そうかも知れないわ」
「そうなのね」
「ファンタジーマニアも多いし」
「ああ、多いわね」 
 ケニアの娘も確かにと頷いた。
「言われてみたら」
「そうでしょ」
「結構以上にね」
「オーソドックスなファンタジーもあれば」
「西洋の」
「日本とか中国もあって」
 それでというのだ。
「本当にね」
「色々ね」
「さっき芥川のこと言ったけれど」  
 またこの作家のことを話に出した。
「あの人も最初はファンタジー書いてるしね」
「ああ、杜子春とかそうね」 
 ケニアの娘も確かにと頷いた。
「そういえば」
「太宰だってお伽草紙は」
 見事な換骨奪胎で知られるこのシリーズはというのだ、この中にあるかちかち山は作家の田中英光だったと言われている。 
「ファンタジーだしね」
「童話もファンタジーなのよね」
「中島敦なんか」
 山月記で知られるこの作家はというと。
「エジプトものまであるわよ、メソポタミアとかね」
「色々あるわね」
「中国ものにね」
 その山月記である、名人伝もそれに入るであろうか。エジプトは木乃伊、メソポタミアは文字禍があたる。
「色々書いてるわよ」
「純文学でもファンタジーあるのね」
「作家さんによってはね」
「芥川も太宰も入るのね」
「そうよ、それで日本や中国のファンタジーもね」
「あってうちの学校でも」
「色々詳しい子いるのよ」
 そうだというのだ。
「欧州でもギリシア神話もあるしね」
「指輪物語みたいなの以外にも」
「北欧神話とかケルト神話とかね」
「普通言われるのは指輪物語と科中世の応酬みたいなところよね」
「そう、けれどね」
 それがというのだ。
「北欧とかもあるのよ」
「そっちもよね」
「ケルトだってね」
「色々あるわね」
「しかもうちの学校東欧の子達もいるでしょ」
 この地域のというのだ。
「ポーランドとかハンガリーとか」
「あの辺りね」
「そっちのファンタジーもあるし」
「本当に色々ね」
「ロシアもあるしね」
 この国もというのだ。
「色々よ、それとあんた日本のファンタジーっていうと何連想するの?」
「あれよ、陰陽師よ」
 ケニアの娘はまずそれだと答えた。
「鬼に幽霊に忍者にお侍」
「そういうの出るわね」
「ええ、天狗とか山伏もね」
「その中で一番連想するの何かしら」
「陰陽師最初に言ったけれど」
 富美子にそれでもと答えた。 
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