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ハッピークローバー

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第百四十七話 文化祭開催その十

「そこで器械体操でもすればね」
「違ってたって言ってたのね」
「それでかなりね」
「そんなこと言ってたのね」
「まあ三島も自殺してるけどね」
 富美子はこのことも話した。
「二人とは違ったやり方で」
「切腹したわね」
「自衛隊の駐屯地でね」
 市ヶ谷のそこでだ。
「乗り込んで司令官人質にして」
「演説して」
「その後で切腹したけれど」
「壮絶な結末ね」
「あの人は何か違うわね」 
 三島の場合はというのだ。
「何かお芝居みたいよね」
「自衛隊の基地で切腹するとか」
「兎に角頭の回転が速くて記憶力が抜群で」
 三島由紀夫という人はというのだ。
「知識も教養も凄かったみたいよ」
「物凄く頭よかったのね」
「そのせいかね」
「そうしたことしたの」
「何か三島由紀夫を演じたみたいな」
 平岡公威という人がだ。
「そんな人生でね」
「結末ね」
「そんな感じするけれどね」
「三島の場合は」
「自殺も終幕みたいな」
「三島由紀夫という人の」
「そうだから二人とはね」
 芥川そして太宰とはというのだ。
「また違うわね」
「どう見てもそうよね」
「この人いつも身体動かしてたし」
「剣道やってボディービルやって」
「健康的な生活送ってたから」
 大隊昼の二時位に起きて後は規則正しい生活だったという。
「鬱にはね」
「ならなかったのね」
「色々やってた人だしね」
「そこは芥川や太宰と違うわね」
「そうね、作品も暗くないし」
 独自の緻密に計算され尽くした美の世界を描いている、潮騒にしてもギリシア劇をヒントとして実に緻密に書かれている。
「読んだ人が言うには」
「鬱の気配なくて」
「おかしな感じもね」
 芥川の末期の作品にある様なそれもというのだ。
「ないしね」
「健全ね」
「耽美かも知れないけれどね」
「ああ、耽美ね」
「三島はね」
「日本人そういうのも好きよね」
「同性愛も普通だしね」 
 日本ではとだ、富美子も否定しなかった。
「昔から」
「そうしたお国柄よね」
「だから三島もね」
「耽美だったりするのね」
「そうなの」
 作品にそうした傾向があるというのだ。
「それも強いわね」
「三島はそうなのね」
「何かね」
 富美子はさらに話した。
「うちの学校文学好きだから」
「三島のこともなの」
「芥川も太宰もね」
 この二人のこともというのだ。 
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