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第百四十七話 文化祭開催その十二

「やっぱり忍者でしょ」
「それよね」
「うちの学園にも忍者部あるしね」
「忍術部ともいうわね」
「もう忍者はね」
 まさにというのだ。
「日本のファンタジーよ」
「そのものね」
「私としてはね」
「その忍術もね」
「文化祭じゃ見られるわね」
「あそこ体育会系の部活だけれど」
 それでもというのだ。
「忍者の歴史とか忍術の道具とか紹介して」
「文化祭に力入れるわね」
「毎年そうだからね」
 それ故にというのだ。
「今年もね」
「期待出来るわね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「だからね」
「期待していいわね」
「ええ、それでね」
 富美子はさらに話した。
「色々楽しめるわよ」
「文化祭は」
「実は私忍者の道具好きなのよ」
 忍術に用いるそれがというのだ。
「夢があってね」
「ファンタジーにはもってこいよね」
「日本のね、実際は使わなかったものも多いけれど」
「水蜘蛛とか」
「あれ履いてもお水の上歩けないから」
 富美子は言い切った。
「沈むわよ」
「そうなるわね」
「もっと大きくてカヌーみたいに使ってたとかいうお話もあるけれど」
「泳いだ方が早いわね」
「忍者はそっちの修行もしてたから」
 水泳もというのだ、当時は水練といって武士も嗜んでいた。織田信長は寒い季節でないと毎日泳いでいたという。
「もうね」
「泳いだ方がよかったわね」
「ああしたもの持ち歩くにもかさばるし
「かさばったら隠れること出来ないし」
「だからね」
 そうであるからだというのだ。
「本当にね」
「水蜘蛛は実際は使われなかったわね」
「多分ね。むささびの術も大凧に乗るのも」
 そうした術もというのだ。
「まずね」
「なかったわね」
「凧に乗っても誰かに綱切られたら」
 凧のそれをというのだ。
「終わりだしむささびの術も」
「危ないわね」
「布の端を両手両足に縛っていても」
「司馬ッてる部分がほどけたら」
「それで落ちるしね」
「実際に考えると危ないわね」
「透明にもなれないしね」
 この術のことも話した。
「隠れることは出来ても」
「実際の忍者は違うわよね」
「そうよ」
 富美子ははっきりと言い切った。 
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