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第百四十六話 文化祭の準備その一
第百四十六話 文化祭の準備
五人のクラスのお化け屋敷の準備は進んでいた、留奈は率先して動き自分で鉄鎚等を持って使っていたが。
その彼女を見てだ、手伝いをしている富美子が言った。
「あんたいつもこうした時は動くわね」
「自分でね」
段ボール箱をカッターで切りつつ応えた。
「自然と動くのよ」
「昔からそうよね」
「こうした時の準備になると」
「いつも動くわね」
「部活の準備とか後片付けも」
そちらもというのだ。
「やっぱりね」
「自分からなのね」
「動くわ」
「そうよね」
「そうしないとね」
さもないと、というのだ。
「見てるだけじゃね」
「嫌なのね」
「そうなのよ」
「それ一家よね」
「お父さんもお母さんもでね」
両親もというのだ。
「それでね」
「雅之さんもね」
「お兄ちゃんは特によ」
「準備とか後片付けは動くわね」
「失敗してもね」
そうした作業中にというのだ。
「それでもね」
「動くわね」
「何もしないでいるよりも」
「やって失敗する」
「お父さんとお母さんそうしたことも言うし」
「雅之さんも?」
「お兄ちゃんは言わないけれど」
自分と一緒に作業をしている富美子を横目で見つつ答えた。
「それでも動くから」
「有言実行ね」
「そうするから」
だからだというのだ。
「本当にね」
「それを見て」
「私もよ」
「動くのね」
「逆に動かないと」
見ているだけはというのだ。
「本当にね」
「いてもたってもいられない」
「そう」
まさにというのだ。
「そうした性分なのよ」
「一家揃って」
「そうなの。ただあんたも」
留奈は富美子に顔を向けて彼女に言い返した。
「動くわね」
「いや、人あれしろこれしろって言って」
富美子は実際に手を動かしつつ答えた。
「自分は何もしないとかね」
「そうした人嫌いなの」
「嫌いでね」
実際にというのだ。
「そうした人になりたくないから」
「動くのね」
「こうした時はね」
「そうなのね」
「そしてね」
それにというのだ。
「お姉ちゃんも言うし」
「動けって」
「そう、お姉ちゃんも動くタイプだから」
美奈代、彼女もというのだ。
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