八条学園騒動記
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第七百七十二話 三人で入浴その六
「そんなの見たら。ナンもでしょ」
「それはね」
ナンも否定せずに答えた。
「そもそも百足自体がね」
「嫌よね」
「形が気持ち悪いし」
それにというのだ。
「毒もあるし」
「しかもうじゃうじゃいるのよ」
「頭にね」
「こんなのね」
それこそというのだ。
「これ以上はないまでにね」
「最悪よね」
「最悪過ぎて」
それでというのだ。
「想像するだけでね」
「寒気がするわね」
「だからお風呂に入って」
そうしてというのだ。
「奇麗にしないとね」
「百足つくのは幾ら何でも」
「虱でもアウトなのに」
「百足だとね」
「そんなものじゃないから」
だからだというのだ。
「本当にね」
「絶対に駄目ね」
「そうよ」
絶対にというのだ。
「何があってもね」
「それでそう言うのね」
「ええ、蚤だってね」
「そうそう、蚤もね」
ベッカはまさにと言った。
「かなりね」
「アウトよね」
「絶対にね」
強い声で言った。
「だからお風呂はね」
「入らないとね」
「それも毎日ね」
「蚤は一年位でないと出ないけれど」
そうであるがというのだ。
「それでもね」
「毎日お風呂に入らないとね」
「兎に角匂いとね」
それと、というのだ。
「汚れがね」
「気になるのよね」
「どうしてもね」
アロアはベッカに話した。
「そうだから」
「お風呂は毎日入らないとね」
「そうそう、それでね」
ナンは洗った後をシャワーで洗い落としている、白い泡をお湯で落としながらそのうえで二人に言った。
「今はモンゴルでもね」
「毎日お風呂に入って」
「奇麗にしてるのね」
「シャワーの人も多いけれど」
「身体は奇麗にするわね」
「そのことは事実ね」
「私お風呂派だから」
自分の好みの話もした。
「あったまるし匂い落ちるし」
「シャワーよりもね」
「湯舟に匂いが滲み出てね」
「そうなってね」
それでというのだ。
「垢とか汚れもね」
「湯舟に出て」
「やっぱり落ちるのよね」
「あったまるだけでなく」
「湯舟はそのこともいいのよね」
「だからね」
それでというのだ。
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