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八条学園騒動記

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第七百七十二話 三人で入浴その五

「何年も入らないとか」
「有り得ないわね」
「そんなことはね」 
 それこそというのだ。
「絶対にね」
「ないわね」
「連合ではね」
 それこそというのだ。
「もうね」
「お風呂はね」
「常識の中の常識で」
 そうであってというのだ。
「キャンプの時だってね」
「入るわよね」
「こうした感じでね」
「そうよね」
「入るから」
 風呂にというのだ。
「シャワーの場合もあるけれど」
「どっちにしても身体奇麗にするわね」
「常識よね」
「いや、身体が奇麗になったら」
 アロアも言ってきた。
「こんないいことはないわ」
「そうよね」 
 ベッカはその通りだと答えた、今も三人それぞれ髪の毛や身体を洗っている。隅から隅まで奇麗にしている。
「最高よね」
「清潔になってね」
「匂いも汚れも落ちて」
「いかもね」 
 アロアはさらに言った。
「蚤とか虱も付かないし」
「垢も取れてね」
「いいわよね」
「本当にね」
「いや、頭に虱とかいたら」
 アロアはそれならと言った。
「恥よ」
「まさにね」
 ベッカもその通りと頷いた。
「本当に」
「それだけ不潔ってことだしね」
「蚤だってね」
「そうした虫がいるってね」
「最悪よね」
「まさにね」
「それね」
 ナンは自分の身体をスポンジで洗いつつ言った。
「ご先祖さまってお風呂入らなかったし」
「ああ、蚤とか虱とか」
「いたのね」
「多分それもかなりね」
 まさにというのだ。
「いたでしょうね」
「お風呂入らないならね」 
 ベッカはそれならと答えた。
「それで一年位いたら」
「蚤つくわね」
「虱だってね」
「そうよね」
「日本の神話だと」
 ベッカはそちらの話をした。
「百足だったりするけれど」
「素戔嗚尊の頭よね」
「虱がいると思ったら」  
 大国主命の話の中でのことだ。
「百足で」
「それもうじゃうじゃいて」
「大変だったのよ」
「それ想像するだけで寒気するわ」 
 アロアは日本神話のこの話に実際に暗い顔になっていた。
「虱だけでも嫌過ぎるのに」
「それが百足だと」
「もうね」
 それこそというのだ。
「見た瞬間気絶する自身あるわ」
「百足が頭にうじゃうじゃいたら」
「そうよ」
 まさにというのだ。 
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