おぢばにおかえり
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第八十三話 回廊ひのきしんその二十二
「ずっと努力していたのに」
「大きくなろうと思って」
「そうよ、そうしていたのに」
それがです。
「こうしてね」
「小さいままですか」
「そうよ、どうしたものかね」
「それがいいんですけれどね、僕は」
こう新一君に言われました。
「先輩としてはですか」
「新一君背が高いからわからないのよ」
私が一五〇センチで新一君が一七八センチです。
「小さいのはかなり嫌なのよ」
「いや、可愛いとか」
「可愛くないわよ」
「あの、ちっち」
ここで先輩が言ってきました。
「別にね」
「小さくてもですか」
「気にしなくていいのよ」
「そうなんですか」
「ええ、というか本当に小柄な人が好きな人だってね」
「います?」
「いるわよ」
何故か新一君を見て私に言ってくれました。
「そうした人もね」
「そうでしょうか」
「そう、だから別に気にしなくていいわ」
「そうですか」
「それで外見のことは気にしたら駄目よ」
こうも言われました。
「それよりもね」
「中身ですね」
「私もそのこと思い知ったから」
辛そうに言われました。
「本当にね」
「そうですか」
「言ったら駄目よ」
「そうします」
先輩だけではありませんでした。
何よりもかんろだいそして教祖殿の方を見て先輩に言いました。
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