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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその二十三

「絶対に」
「そうしてね」
「はい、新一君もよ」 
 ここでこの子にもお顔を向けて言いました。
「人のお顔や外見のことはね」
「嫌いじゃない人には言わないですから」
「嫌いだったら言うでしょ」
「そういう主義です」
「そんな主義は捨てなさい」 
 新一君にこうも言いました。
「嫌いだと何をしても平気なのね」
「何を言ってもです」
「人を傷付けてもなのね」
「嫌いでしたら」
「全く。嫌いになったら徹底しているわね」
「それがよくないんですね」
「嫌わば嫌われるだけれど」
 そのことは子供の頃からよく言われています。
「新一君嫌われるの嫌でしょ」
「いや、人に好かれなくてもいいって」
「思ってるの」
「はい、無理をして」
「けれど好きな人には親切よね」
「そうしないと駄目だって思ってますから」
 こう答えてくれました。
「ですから」
「それでなの」
「はい、嫌いでない人には」
「新一君って嫌いじゃないと好きだしね」
 もうはっきり分かれていることがわかってきました。
「だから嫌いじゃないとなのね」
「親切に。ただ人を無理して好きになることもしないですし」
「無理して好かれるつもりもないのね」
「そんな努力しても嫌いな奴は嫌いになるんで」
「それで嫌いだとなのね」
「そうなります」
「それで相手からも嫌われるのね」
 長池先輩達は兎も角として絶対にそうなっていると思います、新一君のあからさま過ぎる態度を見ていますと。 
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