おぢばにおかえり
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第八十三話 回廊ひのきしんその二十一
「相手が嫌がるからするのよね」
「そうです」
「相手が嫌がるなら何でもするのね」
「調べて」
そうしてというのです。
「やります」
「それが駄目だからね」
「嫌がらせ自体を止めるべきですね」
「そうよ、というか新一君って本当に嫌いな相手は何処までも嫌うから」
ここまで徹底的な子もそういないです。
「なおしなさいね、先輩にもね」
「あの、私はね」
「いえ、この子嫌いだと誰にもこうするみたいなんですよ」
先輩にもお話しました。
「ですから」
「それで言うの」
「はい、本当によくないですから」
新一君にとっても相手の人にもです。
「親戚の人にもするらしいですし」
「そうなのね」
「嫌いになるとブレーキが利かないんですよ」
そのことが去年会ってからよくわかりました。
「本当に」
「それで言うのね」
「はい、好きな人にはにこにこして」
そうしてです。
「親切で嫌いじゃないと好きなんですが」
「それじゃあちっちには」
「私には小さいって言ってきます」
それもいつもです。
「気にしているのに」
「小さいのがいいんじゃないですか」
新一君が横から言ってきました。
「それが」
「よくないわよ、何がいいのよ」
小さい、小柄なことがです。
「私いつも気にしているのよ」
「気にすることないですよ」
「それが嫌なのよ」
私としてはです。
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