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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその二十

「これも悪い種を蒔いたからね」
「その結果ですか」
「私がしたことは全部事実だし」
 かんろだいの方を見て言われました。
「それでね」
「けれどこの子あることないこと言い回ってますよね」
 私は新一君の方を見て言いました、当の新一君は平気な感じです。
「陰湿に」
「それはね」
「先輩の所属の大教会の人達に」
 私はさらに言いました。
「やってないことまで」
「いや、それはわかってくれてるから」
「先輩はしていないって」
「それはね」
「いいんですか」
「やったことを言われることはね」
 こう言うのでした。
「だからね」
「いいんですか」
「だからちっちは気にしないで」
「先輩がそう言われても」 
 新一君の方を見ながら答えました。
「この子しつこいですからね」
「ずっと言い続けるのね」
「もう憎いが憎いを呼んで」
 八つのほこりのうちの一つのそれをです。
「これからも言いますよ」
「相手の家族にも言いますんで」
「それ家庭崩壊するから止めなさい」
 新一君の今の言葉にすぐに言いました。
「親御さんやご兄弟にも言うのね」
「結婚してたら旦那さんやお子さんにも」
「そんなことしたらはったおすわよ」
 本気で言いました。
「それで本当に家庭崩壊したらどうするのよ」
「そこまで考えてないです」
「考えなさい、家族の人達にまで言わないの」
 あらためて新一君の嫌いな相手への行いがわかりました。 
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