| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

同志諸君に告げる。これが理不尽だ!

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第10話

 
前書き
サイト管理者です。第10話「ヤマトの目的は彼処だったとは…」になります。くっ、本当なら前半とか後半とか三人称視点で第三勢力的な展開をどうするのか?の議論とか会議室での会話を聞いた主要要員の某の人より「彼女は危険です!」とかしたかったのに!(苦渋の決断と涙)。…気を取り直してどうぞ、ご覧下さい。 

 
 ヤマトはビーメラ4にて保安部によるクーデター(反乱)が発生した。その中には情報長の『新見薫』、航海長の『島大介』が含まれていた。目的はイスカンダルへの旅は困難、又信用が出来ないっがそうである。

 そこで新見薫は補給の為、降り立ったビーメラ4の環境が地球と酷似していると分かり破棄されたイズモ計画発動を試みるが一人では困難を極めると判断し、同志を秘密裏に協力を仰ぐよう要請する。

 そのため保安部長『伊東真也』に加担し、航海長島大介を口説き落とした末にてイズモ計画派による艦内クーデターに参加しビーメラ4に降りたち少し経ったところで実行に移した。しかし、所々で計画通りにはいかず、なし崩し的に進めて行ったことが仇となる。

 加えて犠牲者を出さないで成功させる事を望んだ彼女とは正反対に、犠牲者を厭わない伊東のやり口に耐えかねて反発する。しかしその時、惑星調査からヤマトに帰投してくる古代進らの処遇を巡って、新見との軋轢がより深刻化に。

 犠牲を厭わない伊東に島でさえ「指揮官は俺だ」と反駁されてしまい、それに逆上して射殺しようとするが新見による体当たりで防がれた。

 あわや怒り心頭となった伊東は島と新見は射殺されてしまいそうになるが寸前に同じ保安部の『星名透』が介入して防がれる。「裏切ったのか?!」と星名に問うが本人曰く「いやだなぁ〜、表替えっただけですよ」とのこと。ヤマト艦長『沖田十三』が現場に登場した事でここにクーデターは失敗に終わり、結果的に彼女も営倉送りとなった。
 
 本来ならば反逆罪で即処刑?されているのだが、艦内でのトラブルを穏便に済ませたかった事や、彼女の素質を惜しんだ沖田艦長の寛大な措置でこれだけで済んだと言える。

 表替えったと言った星名であるが実は”地球連邦極東行政長官ヤマト本部長”『藤堂平九郎』を直属の上司に持ち、イズモ計画推進派のヤマトクルーを内偵するスパイでありクーデター発生時にはそれを抑える役目を持っていた。

 艦橋最上階にある艦長室で(島、古代、副長『真田』、艦長沖田)へ未然に防げることは出来なかったが航海長である島の協力のおかげで流血に至らず収拾出来たとそう告げた。

 ビーメラ4の事件(クーデター)はイスカンダル航海日程の遅れの一つであると責任は私にあると島は皆にそう告げるが心配はいらないと副長である真田は返した。

 その理由は古代が持ち帰った波動コア又情報であった。それには航海日程の遅れを短縮することが出来るものが記されていた。それは、

 「我々は35日の遅れを出しています。…ですがこの『亜空間ゲート』をしよう出来れば、航程を一気に3万年は短縮出来る計算となります」

 ”亜空間ゲート”である。超空間ネットワークを応用した亜空間回廊(ワームホール)への出入り口となる施設であり使用すると数万光年という通常のワープよりもはるかに長距離を跳躍できる代物である。ゲートを使用するためには、跳躍する物体にゲートコントロールシステムを搭載し、システム衛星とリンクする必要がある。

 「ゲートをコントロールするシステム衛星がこの近傍に存在します。これを攻略できるかどうかが鍵となります」

 島からの遅れを解決する方法があると示し、真田が代わり作戦室に集う者達に発言した。

 一言で片付けると攻略出来るとスイスイ進める高速道路の中の高速道路であろうか?……表現、合ってるかな。

 「この波動コア、便宜上『ビーメラコア』と呼称しますが、ビーメラコアにはゲートを造った種族の他にゲートを使用していた管理者とも呼ぶべき種族の存在も記されていました」

 「管理者?」

 この疑問に沖田は口を開き、真田に問うたが真田は思わせぶりな笑みを覗かせながら目線で沖田達に問うた。口には出していなかったがまるで「さぁ、一体どんな存在でしょうか?」とクイズを出しているようであった。

 「勿体ぶらないで教えてくださいっ」

 「ガミラスだよ」

 ガミラスの名で出た瞬間、部屋の空気は一気に緊張とした空気となった。当然だろう。ガミラスは青かった地球を遊星爆弾によって変わってしまった。海は枯れ、遊星爆弾が降った都市は抉るように破壊された。環境も汚染と共に謎の植物によって荒れてしまい人類は地上から地下へと逃げることを余儀なくされた。

 イスカンダルへと向かい母なる地球を取り戻す。誰もがそう思いヤマトに乗った。クーデターを起こした者達でさえっだ。

 それぞれがそんな想いに浸かるが沖田は艦長として今やるべきことを優先とし「ゴホンっ」と口から出したことで終わりを迎え、部屋中にある緊張とした空気を緩和し、この場に集う艦長含む者達はやるべきことであるに集中する為、作戦内容を確認した。

 こうして、亜空間ゲートのシステム衛星のコントロール権を掌握する為の作戦が実行に移されようとしていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
 〜〜ヤマト艦橋にて〜〜

 「アレが亜空間ゲートか」

 「死んでいるように見えるけど…」

 「本当にあんななんで何万光年もワープ出来るんですか?」

 亜空間ゲートから少し離れた所に到着したヤマトはその全貌を目の当たりにしていた。

 「それにしても古代さんは護衛だとしても、副長はなんで森さんまで連れてったのかな?」

 「森さんがイスカンダル人だから「違うッ、彼女はそんなんじゃない!」…」「ちょっと耳がキーンとした」「ご、ごめん」

 ビーメラ4の反乱後、一部の者達、いや以上の者達は”船務長”『森雪』がイスカンダル人であるのでは無いか?っと疑いを持ち始めていたのだ。森雪は階級が一等宙尉であり船務長兼主任レーダー手を務めている者である。切っ掛けはビーメラ4での出来事(反乱)であるがそれだけでは無い。

 『ユリーシャ・イスカンダル』を乗せた車が事故またはテロ事件に巻き込まれた影響から直近の1年以前の記憶を失ってしまっていることも関係があるのでは?とより強く思っているのだ。南部は森はイスカンダル人ではない、絶対違うと強く反論した。

 「そういえば…」「ん?どうしたんです、太田さん?」

 「いや森さんがイスカンダル人かどうかは別にしてさ、…噂の宇宙人見た?」

 「”彼女”、か」

 その言葉を発したと同時にエレベーターの扉が開かれ、一人の人物が艦橋に入る。

 『……』

 艦橋内は一瞬にして静まり返った。入室した人物を見つめる(バレないように)。その人物は女性で、いや少女であった。腰元まで届く長い純白髪に黄土色を持つ瞳、通った鼻筋に桜色の形の良い唇をし綺麗な肌をする少女。服装はエヴァンゲリオンのプラグスーツに似ているようであった。その上から黒いコートを羽織っている。

 それだけならコスプレかと思うが”いかにも”の雰囲気が決定づけた。そしてこの”宇宙人”について脳裏を過る。古代達がビーメラより帰還した際に一緒に居た今此処に居る”彼女”についてであった。

 イスカンダルやガミラスとは異なる全くの第三勢力。自分達と同じ肌と知能を持っている存在であるがそれでも地球人ではないことから、ガミラスに向けられる敵視、憎しみの視線や感情といったもの程では無いものの、未知の存在であることから大多数の者達が複雑な気持ちを抱かせていた。

 そんな注目の的である少女は艦橋から見えるゲートを見ていた。一体何を思い見ていたのか、それは分からない。

 そんなこんやで時は経ち、システム衛星に入った真田、古代、森の活躍によりこうして亜空間ゲートのシステムコントロール権を掌握し起動した亜空間ゲートは死んだように眠っていたその巨大なリングは息を吹き返し、そんなこんやで亜空間ゲートを使って大マゼラン銀河に入ったのであった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧