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同志諸君に告げる。これが理不尽だ!

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第4話

 
前書き
ーー”脅威”は突然とやって来る。ならば対処しなければならない。
 

 
 ガミラス艦隊の一つ、クリスタ旅団はコレまで数多の戦場を潜り抜けた猛者だと称する者達だ。拡張では無く事実である。

 クリスタ准将率いる艦隊は敵艦隊と交戦。敵艦隊のバリア技術と撃沈されたことには驚かされたものの数的優位、状況は揺るぎないものだとだとクリスタ准将を含めたクルー達は勝利を信じて疑わず思った。…そう思っていた。

 「敵艦隊後方に重力震を確認!…ゲシュムアウト反応ですッ、コレは味方ではありませんッ!!」

 ガミラス艦隊眼前(アイリス艦隊後方)にゲシュタムアウトが行われた証たる青い輝く円が現れ、そこから敵の増援艦隊、400隻が現れた。

 ゲシュタムアウトした艦艇は先程の旗艦と思われる艦艇と同じ型である。コレはゲルバデス級航宙戦闘母艦の全長400mを超えた500mクラス(スサナー級)艦であった。そんな艦艇が400隻全て同じだということにガミラス側は驚きを隠せないでいた。

 「ゲシュタムアウトした敵艦数・・・よ、400!尚も増大中?!」

 だが『彼女等』が増援として送った艦はコレだけでが無い。次々とこの宙域にゲシュタムアウトして訪れる。極め付けに次々とゲシュタムアウトする艦の総数は、既にクリスタ艦隊の4倍を超え、今なお増大している。

 「ゲシュタムアウト更に続くっ…こ、これはッ!…」

 管制官からの悲鳴にも似た言葉の直後、敵艦隊の中心に一つの青く輝くワープゲートが展開される。

 そこから出てきたのはガミラス最大の戦闘艦『ゼルグート級』と同等の全長を持った700mクラス、『プロテクト級』の姿があった。その周囲を護衛する様にスサナ―級12隻がワープアウトする。

 (間違い無い。白銀の如く輝くあの艦こそが敵の旗艦ッ本能がそう訴えている。だが恐れることは無いぞクリスタ。つい先程の戦いで敵のバリア技術を剥ぎ取ること(時間は掛かった)が主砲たる陽電子ビームとカノン砲で出来る。だが数的優位は下回ってしまっている。撤退し態勢を…)

 クリスタの思考は敵将が発する威嚇的な声が自動翻訳機を通じて艦内に響いたことで終わりを迎える。

 『遊びは終わり。さぁ…戦いを終わらそう』

 その言葉が開戦の合図であるかのようにプロテクト級の四連主砲による砲撃がやってきた。四本の光り輝く緑色の矢が交差するかのように束となりながらクリスタ艦隊最前線に居る左舷前方のクリピテラ級駆逐艦とその後ろに居た『デストリア級重巡洋艦』を射抜き、片方は爆沈し片方は轟沈した。少しして敵前衛艦隊の一部と敵戦闘機編隊がクリスタ艦隊へと急速接近。

 「友軍に救援要請をッ…」

 クリスタ艦隊はソレを迎い撃つ、同時に最早自分達だけでは作戦遂行は不可能に近い。そう判断し基地に待機する救援要請をする。だが……

 「クリスタ准将っ、友軍基地への応答が出来ませんッ」
 
 「な、何故だ!奴らから発する妨害電波か?」「分かりませんがこの場にいる艦隊は応答可能のようです」

 (それでは意味が…待てよ?それならば…)

 「全艦ッ、直ちに反転!現宙域より撤退するッ!」

 クリスタはこれ以上は危険と判断し、

 「撤退ですと?!。しかしクリスタ准将閣下、それはっ…」

 「分かっているっ。だが生きてさえいれば汚名を注ぐ機会はやって来る。復唱はどうした!?」

 「は…はっ。全艦、直ちに反転し現宙域を撤退せよ!」

 側近であり副官である老佐官ハイドリッヒ大佐が復唱し指示を送る。

 (…だがこのまま逃してくれるとは思う程、私はバカでは無い。フフっ、やるしかないか…)

 「…ハイドリッヒ」「…分かっております。准将閣下」

 クリスタからの呼びかけに直ぐ答えた彼に、『意図』に気づいた事に流石長く共に居るだけのことがあると思いながら彼女は苦笑いをした。

 「…我が艦隊の戦力は?」

 苦笑いと共にクリスタは凛とした佇まいを崩さず険しい顔立ちとなってハイドリッヒ大佐に戦力を確認するよう指示を出した。ハイドリッヒは管制官にその旨を伝える。管制官は直ぐ様、確認し上司であるクリスタとハイドリッヒに報告する。

 「…クリスタ旅団105隻の内、35隻が撃沈されました。20隻が中破、大破を受け、大破した内の数隻はその後、爆沈しました。五体満足な艦艇は本艦を含め半数以下です」
 
 報告ご苦労、と労いの言葉を短く伝える。そして通信士に全艦隊に映像通信を繋ぐよう指示を出す。通信士から合図が送られたことを確認してから、クリスタは息を整えてマイクを持って言葉を発す。

 「…損傷が激しい艦艇は直ちにゲシュタム・航法に移行。以外の無事な艦艇は殿となって敵を此処で止める。…逃げたいなら今の内だぞ?」

 最後に一言、私一人でも戦うっと付け加える。

 『・・・』

 沈黙が空間を支配する。沈黙の支配は直ぐに破れた。

 『…此方、ファントム雷撃分隊は旗艦と共に殿を努めます』『此方、ガイデロール級セバスです。損傷はありますが戦闘に問題ありません!』『敵に我々の底力を魅せつけてやりましょうよ!?』

 「クリスタ准将閣下、彼等もどうやらまだまだ暴れたりないようですな?」

 ハイドリッヒ含めた艦橋要員も全員が動かず、「最期まで戦います」とその姿勢で訴えかけた。

 呆れたような安心したような声色のハイドリッヒの声に、少し晴れたような顔をしたクリスタは誰もが見惚れる程の顔立ち(笑顔)で命令を下し、最後にこう言った。ーーありがとうっと。

 こうして迫りくる敵艦隊に殿に賛同した47隻が立ち向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
 〈???艦隊旗艦プロテクト級『シエラ』〉

 アイリス艦隊の救援、増援として駆けつけた人物は、艶が入った黒の長髪に青空のような青い瞳、紅いマントに純白のスカート、純白の軍服は所々金細工が施されており、其れを身に纏う『少女』は司令官席に座り戦況を観察、分析し処理していた。

 その時、アイリスから通信が来ていると通信士より報告を受けて通信ホログラムを起動させ、無表情で宝石のように輝くスカイブルーの双眸をホログラムへと向けた。

 『いや〜増援助かったぜ〜、死ぬかと思った』

 「アイリス、は…何故、プロテクト…級に、乗らなかった?…プロテクト、級に…乗っていれば…そんな…思いとは…無縁…だと、いうのに」

 『へっ、オレは「次から乗れ」…すまねぇ【シエラ】』

 シエラは呆れた思いで一杯であった。アレほどオリビアから言われていたのに何故っと...。同時になるほどっとオリビアが念の為と言っていたことが納得した自分が居た。

 「…私、は増援として…駆けつけた…けど…もう一つ…としては…任務がある」

 シエラは任務内容について話しだす。オリビアより下された司令としては不明艦を少しでも鹵獲すること、出来なければ旗艦の鹵獲をすること。

 『…オレはどうすればいい?』

 アイリスは先程とは一変して真面目な態度となった。…口元はピクピクとなっているが。

 「…私の艦隊…の、一部を…あげる…それを使って…異星人共…の退路を、絶ってほしい」

 『了解だ、じゃあまた後でな』

 通信が終える。

 「・・・」

 シエラは無表情(基本無表情)から一変して怒りに燃えた顔立ちとなって威圧的なオーラを撒き散らす。

 「彼処に居るのは…殿を努める…艦隊…損傷した味方を守り、逃した…味方の為に…殿を…務める行為…敬意に値する…でも…荒らし…である奴らは…許さない…まぁ…オリビアの指示が優先事項だから…」

 シエラは作戦内容を振り返りも兼ねて思い出す。シエラとしては本来であれば不明艦隊(荒らし)全てを砲撃で以って沈め、生存者は”研究対象”とする筈であったが彼女はオリビアからの命令を絶対優先とした為、旗艦のみでの一回だけの砲撃に留め、その後は自身が引き連れた艦隊と発艦した戦闘機と共に不明艦隊(殿)の航行を阻害することに努め、最終的には不明艦隊を鹵獲する。それがオリビアと共に新たに決めた作戦。

 「あ、あの〜」

 「・・・」「ひっ、ほ、報告であります。シエラ将軍指示により不明艦隊の航行ルートを艦載機による攻撃、艦の砲撃によって遮断、一部を除き航行不能としました。『ドロック級ボーディング・シップ』が殿を努めた不明艦隊全てに取り付きドロック級が持つ4本のスパイクによって装甲に穴を開け、トルーパー達による突入を敢行。現在、白兵戦を行っております!」

 シエラから放つオーラに報告したクルーは萎縮してしまうものの己の責務を全うした。

 「シエラ将軍、新たに入った報告です。白兵戦は成功。異星人共は降伏したとのことです」

 よこから通信士がそう報告をする。

 シエラは腕を組んだ後、右手で顎を上品に掴みコレからの事を思考する。少ししてシエラは思考を終え命令を下す。

 「…鹵獲は成功…突入した…トルーパーは、艦を操舵する…異星人を…監視、航行困難な異星艦は牽引して…重要人物は…本艦へ収容、して…その他は、スサナー級…監房ブロック…収容を」

 「了解しました。…命令を伝える、これよりーーー」

 こうして、ファーストコンタクト及び戦闘は終わり、帰路へと着くのであった。 
 

 
後書き
〜〜白兵戦の終盤の終盤戦(ガミラス旗艦ブリッジ)〜〜
クリスタ「私は諦めない!」艦橋要員『俺たちもだ!』
部下「重要人物らしき存在を確認。言葉は分かりませんが凄い怖い顔してますッ。その他の異星人もです。怖すぎです!」
中尉「トルーパー、フラッシュバンを投げろ」
部下「了解!」

〜二分後〜

中尉「ふぅ制圧したか」部下「抵抗する異星人をスタンモードで撃つだけの簡単な仕事でしたね。…表情怖かったですけど」
クリスタ「最後の一人となってしまったか…だが私は断じて降伏なんぞしないぞ!、辱めを受けるくらいなら…いっそ殺せ!?」

ガチャ(トルーパーの一人が銃を向ける音)

クリスタ「…ま、待ってくれっ。降伏する、するから銃を下ろしてくれ?!」
部下2「撃っちゃっていいですか?」部下3「お前落ち着けよ」
中尉「いや降伏しているようにしか見えないのだが…地面に押さえつけ両手を後ろにして手錠を付けろ」
部下1、2、3「了解です」
白兵戦の終盤の終盤戦(ガミラス旗艦ブリッジ)ー完ー 
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