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バイオハザードなんてクソくらえ!【未完】

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第6話 ゼノビア「世界は〜終末となったよ〜。やったぜ♪…じゃないわ!」

 
前書き
今話ですがとある人限定で「」の前に発言者の名前があります。さぁ、いったい誰のことでしょうか…。 

 
 〈サミュエル・ゼノビアSIDE〉

 全く、こんなクソくらえな世界になったのも全部アイツが、ケインが悪い!呪ってやりたい!!

 アンブレラに入社する前、陸軍所属していたケインこそがこの世界を滅ぼした張本人と言っても過言ではない。残念ながらケインは自ら命じた核ミサイルがラクーンシティに到達する前…蒸発する前に死んだ。

 しかしながら私は大〜変嬉しいことに、ケイン以外に責めるべき人間は他にも居ることは喜ばしいこと…だが非情に残念なことに自ら鉄槌を下してやりたかったが奴も既にハイブで、リッカーによって殺されている。

 そもそもこの終末世界を創ったきっかけはコイツ、パーシヴァル・スペンサー・バークスという名の元警備員の男であり、ハイブ内でTーウイルスを放ったのが始まり。

 ハイブを管理する人工知能、レッド・クイーンから知らせを受けて、私はハイブを封鎖。その後にコンクリートをハイブの入り口に固めておけば、このような大惨事にはならなかったのかもしれない。

 実際、私はその時そのように助言した。馬鹿ケインは無視したが…。馬鹿ケインの事など考えたくも無いし何を思っていたのかも分かりたくも無いが、何故開けようと思い至ったのかちっとも分からん。

 ハイブが封鎖されたままであれば核ミサイルを使って、ラクーンシティを浄化する必要も無い。感染エリアが拡大する程、封鎖は難しくなる。実に初歩的な計算であるが、そんな初歩的な事すら失敗し現在の状況に…。

 ほ〜んとケインは大馬鹿者な男だ。お前のおかげで出たくも無い地上に出て、アンデットを捕獲することなぞしたく無かった!だがそうしないと、アンデットについて解明出来ないし、”計画”に支障が出るのは宜しく無い…。

 仕方無く私自ら出向いた訳だ。警備員2人と共に。

 とはいえ、それは安全な地下施設に居ることと地上にある観測小屋の周囲を5mはあるフェンスに守られているからこそ、こんな呑気に考えることも出来る。自分で言うのも可笑しな話だが。

 しかしながらアンデッド共、どのくらい居るんだ?数百は確定ではあるが、もしかしすると千は超えているのやもしれない。

 それと何故、此処に生きた人間が居ることをアンデッドは分かるのか?これはアンデッドに関する謎の一つ。

 感染した犬もそうだ。

 アンデッドは歩くことが多く、かといって走ることは無くは無い。生きた獲物を発見した影響もあるだろうが、それでも走る行為は精一杯の印象。死んでいる為、息はしていない。

 対して犬は走ること、飛ぶことといった全ての機能を完璧に果たしているよう。だがやはりと言うべきか、感染個体は息をしていない。

 だが少なくとも犬の場合、ハイブでオリジナルアリスと戦った──ケルベロスは連携をしようとしていた…。ほんの少しではあるが基本的な知性が、死んた後もあるのかもしれない…。

 アンデッドとなった元人間も、もしかしすると失った知性を取り戻せるかもしれない…。

 此処にはエレベーターで昇ってくる者が数人居るという以外、生命体が存在する微候は無いのに有刺鉄線付きの金属フェンスに、わらわわと集まってしがみつく…。

 だから…、

 「生きの良いアンデッドが欲しい。塔の用意を」

 答えを得る為には更に多くの実験が必要になる。

 世界は確かに愚かな男2人のせいで、アポカリプス(黙示録)となったが、私にはまだまだやらねばならない実験がある。アンブレラ社は世界を救うのだ。…これだけでも私はやり甲斐を持てる。

 私はくるりと向きを変え、警備員2人の後ろから気象小屋の反対側にある監視塔に向かった。石灰の匂いが鼻にツンっと来るが、これはこれで有り難い。

 だって溝見たくないから。クローンの死体いっぱいあるから。数体サイコロステーキのようになっているの見たく無いから。見たら見たらでステーキを食べることは一週間くらい出来そうに無い。

 監視塔に入った私は最上階である15階へ向けてエレベーターで昇る。着いたらバスケットに入る。

 このバスケットは熱気球に似ているがコレは消防士が使うもので、伸縮可能な金属バーがバスケットに入った私から見て、天井の先に付いている。

 後から来た警備員2人は私に続いてこのバスケットに入る。

 私は監視塔の見張りでもありバークスに振り向き、頷く。バークスは金属バーを起動した。私達の乗せたバスケットは金属フェンスを超えて、アンデッド達の上に達した。

 アンデッド達はバスケットの下を掴もうとする。時には飛び上がろうとするアンデッドも居る。ひぃ、怖い!まぁ、内心でとても人前で出来ないような顔をさらしている女(自分)は不思議なことに表情筋一つも動いていない。…動いていないよな?

 む?あのアンデッドは他と比べて状態が良いな。よし、あのアンデッドに決めた。

 「あそこだ、あの後ろに居る奴が欲しい」

 警備員2人は頷き、カーボンファイバー製の首輪を取り出し指名したアンデッドに縄を投げた。今更だがこの警備員達の名前って何だったかな?確かハンバーグ君とジュルジュル君とかいう名前だったような…?きっとそうだな!。

 指名したアンデッドは見事に縄に掛かった。腕にではあるがそれは問題無い。これで簡単に仕事が進むから。

 警備員2人がかりで引っ張り上げ、バークスは金属アームを縮めていく。

 私達を乗せたバスケットも共に監視塔まで戻り、その後に用意してあった拘束具を装着させた。

 「ケツみたいな匂いだな。死んだケツだ。まずシャワーを浴びせたいぜ」

 「俺のをくわえさせたいぜ」

 全く以ってその通りだ。早くシャワーを浴びたい。このアンデッドは誰かに臭いの方を除去させておくか。後、ハンバーグ?今変なこと言わなかったか?

 「目的は達した。戻るぞ」

 「「了解です。ゼノビア博士」」
 
 私達は捕獲したアンデッドと共に監視塔から出て、地下施設に戻るエレベーターに乗った。エアコンの風が涼しくて気持ち良いな。被っているものを取ったからか余計に気持ち良い。

 地下に着き、私達は研究室に向かう最中、スーツを着た男がやってきた。見覚えがある顔だ。

 「やぁ、スレイター。どうしたんだ?」

 「ゼノビア博士、委員会の時間が迫ってきています」

 「分かっているよ。だがその委員会にハズマットスーツを着て、出席する訳にはいくまい。スーツに着替えてからだ」

 「しかし、それでは五分遅刻することに…」

 なんだか溜息を突きたくなるな。
 アレクサンダー・スレイターは科学部門の副部長だが、口うるさいし口出しするし、しつこ過ぎるし、一緒に食事を摂る時も何故かそわそわしているし、とにかく嫌だ。ハンサムな顔に免じて勘弁してやる。

 嫌だがナンバー2で私の右腕となっている関係+委員会から指名されている以上、委員会に文句を言えない。ハンサムな顔に免じて勘弁してやる。
 
 「お前達、コイツを研究室の隔離エリアに入れて置いてくれ。手順は分かっているな?」

 「「勿論です。ボス」」

 結構だ。ではスーツに着替えるとしようか。

 〜〜〜5分後〜〜〜

 黒スーツに着替え、赤を基調としたネクタイを忘れず結んだ後、私はスレイターと共に委員会が開かれている会議室へと向かった。

 会議室がある通路を歩き、会議室に近づくにつれて通路の向こう側から声が聞こえてきた。耳が良い私は耳をよ〜く澄ませると会話が聞こえてきた。

 『──他の支部は?』

 『パリ支部の報告です。食料貯蔵量は50%。犠牲者は6名。バイオハザード指数は上昇中です』

 『ロンドン支部の報告。食料貯蔵量は30%。犠牲者17名。バイオハザード指数は上昇中です』

 耳を澄ませながら私は会議室のドアを開いて、中に入る。

 アンブレラの施設は世界各地に支部を有するが、地上が大都市部を中心にアンデットで溢れ返っている為、拠点を地下に移すものの完全ではなく、支部によっては人員などにダメージが出ている。ちなみに此方は問題無い。

 「失礼します」

 ウェスカー議長と支部長達は顔を私に向ける。まぁこの私も一応、北米支部の支部長であるが。

 ウェスカー「おぉ、ゼノビア博士。科学部門のヘッドがやっとお出ましか」

 「申し訳無い。ウェスカー議長。忙しくて」

 {IMG111009}

 薄暗い会議室に集っているウェスカー議長と支部長八人は、実際に私とスレイターが除く全員この場に居るわけでは無い。

 三次元映像をホログラミングして、あたかもその場にいるような感じに見せかけているだけ。どこのアンブレラ施設にもこの会議室は有り、円卓テーブルに集うように座っている議長と支部長達は私達が入ってきた映像を見ている。

 これもみな、ホログラム部門の力によって成し遂げれた事だ。流石アンブレラ。

 其れにしても何故、ウェスカー議長は黒サングラスをいつも掛けているんだ?もったいぶったアホか何かなのか?…フフフっ、ちょっと笑えてきた。

 「バイオハザード問題に関して、科学部門から何か報告はあるかね?」

 私は一息吐いてから話し始める。

 「アンデットは実質的に栄養を必要しないことが分かりました。肉への欲求はあるが、人間が摂るような食事は必要無い。ただ喰らうのみ…。私の調査の結果では、何十年も生きられます。それと、皆さん既に存じているでしょうがアンデット同士で殺し合うことは無い」

 「じゃあ、我々はずっと地上に出られないのか…っ」

 部屋中に不安不満の声が広がったのも無理は無いのかもしれない。生きている人々が減る一方でアンデットはその逆を行く。とある支部長は「その内、自滅する」と楽観しているようだが…そんな訳が無いだろう?!。

 本気で思っているのかこの男は?私は彼に分かりやすく教えて差し上げると理解したようだ。いや〜良かった。

 「ふっ巫山戯るな!我々は何十年も地下で生活せねばならんのかッ!」

 …怖っ(震え)。怒りの血相で拳をテーブルを叩きつけるなんて怖すぎだな。

 ウェスカー「…アリス計画はどうなっている?」

 不安不満の声が支部長から出る中でウェスカー議長だけは唯一、それは無くただ進捗状況を私に聞く。私が言うのもなんだがウェスカー議長は何故そんなに冷静なのだ?

 だが今は進捗状況を報告しなくては…。

 「我々の目的は変わりません。オリジナルアリスは実にユニークでした。彼女は細胞レベルでT-ウイルスと合体し、どういう訳かそれに打ち勝った」

 これはデトロイドの惨事で手に入れることが出来た唯一の収穫だ。苦労の甲斐があったな…。

 「そして、彼女の血液の抗体を使ってTーウイルスが人体に及ぼす作用を無効化する血清を作るつもりです。これで作用を逆転させる。アンデット達にはある一定の知性が戻ります。そして記憶力も…。それによって食欲を抑えられる」

 ウェスカー「必ず奴らを飼い慣らせるんだろうな?」

 ウェスカー議長は懸念するような事を言ったがそこは大丈夫。今更だが私はテーブル周りを歩きながら報告し、現在は彼の隣に立って報告をしている。

 「奴等は本質的には獣です。だが調教は出来る。人間には戻れなくても、飼いならせば大量の労働力として使える。それにより我々は地上に戻り、新時代を…新世界を築けるでしょう」

 この私のプレゼンのような報告により議長含む委員である支部長達は気に入っていただけたようだ。場の流れは私にある。良いぞ。この調子に「数ヶ月の実験で何も示せて無いっ。未だ地底生活じゃないか…ッ」…。

 おのれパリ支部長め。不安不満を降らせるな!私もそうなりそうじゃないか!!。

 「オリジナルのアリス無しでは計画の進展は難しいんです。複製遺伝子で創ったクローンでやってみてはいますが…上手くいかない。安定した結果が出ないことには…」

 「フンっ。82回も失敗しているが。ゼノビア博士?」

 す〜。黙れロンドン支部長!人が気にしていることを!!。まぁ?私は優しいですから?肩をすくめるだけで留めてあげますよ。

 「それどころか科学的要素などまるで無さそうだが?」

 ハッ、科学のことなどこれっぽっちも知らない男の分際でよくもその口叩けるものだな。ハゲ薬作ってお前の頭に掛けてやろうか?!思わず言いそうにはなったが、ウェスカー議長が片手を上げたことで静まり返った。

 はぁ〜(溜息)私、血液値上がるな。絶対…。

 ウェスカー「アリス計画とアンデット飼い慣らし計画は我が社の最優先事項だ。他の研究を捨ててこの2点に専念するんだな」
 
 ウェスカー議長…他の研究なんてありませんよ。この2点だけです。他の研究あるよって、でっち上げたせいかな?きっとそうだな。うん。バレるとマズイな。それらしいこと言うか。

 「結果を急ぐと、完成度に問題が出る恐れがありますが…」ウェスカー「なら他の者を任命するだけだ。我々の期待に答えてくれる人間を…」

 例えばスレイターのような?だとしたらゴメンだな。しかし、まさか彼が私を脅すようなことを言うとは…。

ウェスカー「引き続き研究を続けたまえ、ゼノビア博士。…では解散としよう」

 そう言った後、ウェスカー議長と委員である支部長達の姿が一斉に消えた。

〜〜研究室〜〜

 会議が終えた後、私は研究室に直行し、着ていたスーツを白シャツ、ネクタイ(ネクタイはスーツの時と同じ)、白衣に着替えた。現在は椅子に座って背もたれに背中を預け、コーヒーを飲んでしばしの休憩をしている。

 休憩後は委員会からの指示通り、私は2点を優先してやるとしよう。仕事この2点しか無いけどな。 
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