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バイオハザードなんてクソくらえ!【未完】

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第4話

 第2.5話 「この日、アリスはアンブレラとゼノビアを…」

 …世界は少しずつ、アポカリプスへと変貌しつつある。

 軍や警察に命令を発し、組織的な機能を政府はもう残されていなかった。政府は麻痺どころか政府機能を失ったと言うべきだろう。

 誰もが自分達の力で生き残ることを自覚せざおえなくなり始めている。アメリカ大陸のあらゆる地域が感染した。

 アリスが生き延びようと懸命に戦っていた時だった。

 アンデットに圧倒されている人々をカルロス、L・J、アリス、ジル、そして彼等が拾った面々の他、偶然拾ったニューヨーク市警のルー・モリナと数名の海軍兵士と共に、人々を助ける為に国中を回り始めた。アリスを含め、自分達を突撃チームを呼称した。

 アッシュフォード博士の娘であるアンジーも一緒だったが、安全の為、常に車に居たことが殆どだ。その際は最後に仲間となった格闘技の教官、ジスン・バートンと一緒に黒塗りの車、SUVで待っていた。ジスンの役目はアンジーを守ることだ。

 だがその日、駐車場に居たアリス達突撃チームに異変が起きた。異変が起きたのはアリスだった。仲間達と共にアンデットを倒していたアリスだったが突如、目の前に居るアンデットへ飛び蹴りを食らわせて首を折ろうとしたが次の瞬間には、ふらふらっとアンジーが乗っているSUVへと戻っていく。

 …まるでコントロールされているかのように。

 その行動に面々は目を点にして、困惑と驚きを隠せないでいた。その中で最もアリスへ視線を向けていたのはカルロスだった。彼は声を掛けるがアリスは振り向く素振りも見せず、只SUVへと向かっていた。

 ジスンは運転席から此方に向かってくるアリスに気づき、車を降りて彼女に尋ねる。

 「どうしたの?」

 距離にして約3m。アリスは自身に尋ねるジスンに答えたかったが、アリスは大きく一歩踏み出したと思えばいきなり身体の向きを変えて、ジスンの整った顔めがけて横に蹴りを入れだした。

 「あ、危ないな…ッ!」

 ジスンは体術を身に着けててよかったと自身の行動に感謝の念を抱いていたが、ジスンは直様、身を屈めてキックを躱し、地面へ滑るように転がった。

 アリスの蹴りは運転席のドアに激突し、普通の人間なら悶え苦しむ痛みが襲ってくるが痛みなど無いに等しかった。アリスは精神的な痛みを除けば、自身と一体化しつつあるTーウイルスによって肉体への痛みを超越した人間となっていたのだ。

 激闘の陶、アリスはジスンを蹴り飛ばした。その先にはアンデットが。ジスンは肩を噛まれたがその後にアンデットの頭を拳銃で撃ち抜いた。ジスンは素早く、アリスの肩に向けて標準を合わせ、ためらわず撃ち放つと同時に倒れた。

 アリスはつかぬ間であるものの、痛みを感じたのだ。筋肉を切り裂く痛みを。銃弾の熱による痛みを。

 その光景をSUVの中、後部座席に居るアンジーは窓を手をパーにして叩きながら、泣きながら枯らんとばかり声を出す。だがアンジーの声はアリスには聞こえなかった。

 ジスンは頑張って立ち上がり、SUVのドアを開けて車に入ろうとするアリスに拳銃を構えた。

 「アリス、もう一度、撃たせないで!」

 アリスは振り向くがそれもほんの少しのこと。アリスは興味無いとばかり無視し、すぐ車に入り、エンジンを掛けてこの場を跡にした。

 「…アリ、ス…っ」

 ジスンはアリスとアンジーを見送った後、彼女は泣きながら自分の頭に拳銃を当てて、撃鉄を引いた。


 
 アリスとアンジーが乗るSUVは国道210番出入口検問所に到達した。出入口にはアンブレラ社のSUVとパトカーが一つのレーンを残して、道を塞いでいた。その一つのレーンにはアリスとアンジーが乗るSUVの姿があり、その前には数名の警官と若いアンブレラ女性警備員の姿があった。

 警官達とアンブレラ女性警備員、フォーナリとで少々、言葉での喧嘩があったが直ぐに終わった。内容は通すか通さないか、だ。結果は通すこととなった。

 フォーナリはアリスを見て許可を出した。
 
 「進んでください、ミス・アバーナシー。ゼノビア博士がお待ちです」

 アリスは彼女の鼻を殴りつけたかった…が、アクセルを踏み、前を進んだ。殴らなかったのは裏にはゼノビアが居ることが分かったからだ。

 そして、都合の良いことに自分達を除いて、車の通りなど一台も無かった。デトロイドでは戒厳命が引かれた関係もあるのだろう。つまり、許可無しに通りに出ることなど出来ないということだ。

 このアンブレラの施設は現在、とある理由から重要性が増している。

 そうして、進んだ先にはセキュリティ部門の50人あまりが駐車場の入口でアリス達を待っていた。その内の5人が横に寄り、アリスとアンジーが乗るSUVを通した後、元に戻り隙間を埋める。
 
 隙間を埋めた後、SUVを追ってきたミニバンに発泡し始めた。追ってきたミニバンをバックミラーで確認したアリスは見覚えがあった。カルロス、L・J達が乗っているミニバンであったからだ。

 アリスは心の中で幸運を祈り、車を止めた。其処には、ゼノビアとセキュリティ部門の四人が二人を待っていた。

 きっちりしたシャツとネクタイの上に白衣を来ている、うら若い白髪の女性ゼノビアはアリスから見ても美女と呼ぶ程である。まぁ、最もアリスは彼女へ酷く冴えないと口から言いたいが…。

 ゼノビアは、殆ど笑顔でアリスへと口を開いた。

 「おかえり、アリス」

 「ただいま、ゼノビア博士」

 この日、アリスはアンブレラとゼノビアに対して、敵意と憎悪を加速させて行くのであった。 

 3.0話 「やってしまったー!?」
 〈サミュエル・ゼノビアSIDE〉

 「おかえり、アリス」

 「ただいま、ゼノビア博士」

 私は遂にアリスを取り戻した。あぁ、なんて今日は素晴らしいんだ!どっかの馬鹿男少佐の性で封じ込めは初期段階すら失敗に終わり、その後、ラクーンシティより避難したアンブレラの優秀な人材でもある彼が感染したことで、事態は最悪だ。おかげでこちとら3徹夜している私だが、私は報われたのだ!。

 「おや?後部座席に居るのはアッシュフォード博士の気の毒なお嬢さん、か」

 ちょうどよかった。彼女の事を思い始めていたところだったのだ。いや〜無事で良かった。よし、保護しよう!アリスがな!!

 「だが、彼女は特に必要は無いんだ。だから、君にやってもらうしかないな」

 アリス、君は彼女、アンジェラとずっと共に居たのだ。母親変わりに丁度よいだろう。さぁ、気持ち良い返事を待っているぞ!

 「分かったわ」

 おぉ、笑顔で承諾してくれて嬉しいよ。…ん?膝ホルスターからグロック17を取り出した思えば、アンジェラに向けて狙いを定めている?…ま、まさか自分が言ったことが”殺る”と変換されたか!?

 「あ、おい、アリ…『パァアーン』…ス」

 アリスは撃鉄を引いた。弾丸はアンジェラ・アッシュフォードの頭を貫いて引き裂いた。…うむ、エレベーターに駆けなければ!!

 「グハっ」

 「グホっ」

 警備員二人の悲鳴が!コントロール下より離れたとでもいうのか!。クソっ、二人は撃たれたか…ッ。アンジェラと警備員二人の事は私の頭の中に生き続けることだろう。死に逝く者に敬礼を!

 残り二人は一緒だな。

 『ドアが閉まります』

 無機質なアナウンスと共にエレベーターの扉は閉まり、上昇していく。

 「ふぅ」

 一安心だな。しかし、此方のコントロール下から離れたのは信じ難い。確かめなければ…。

 ”ドン、ドン、ドォォオーン”

 「な、何だ!」

 音の発信源は床からだ。まさかエレベーターの扉をアリス一人で開けて、その後、飛躍し今に至るとでもいうのか…絶対そうだな。アリス、この床を蹴破ろうとしている。

 『ドアが開きます』

 すぐエレベーターより出て、警備員と共に戸口の外に立つ。

 「エレベーターを開いたままにし、サブマシンガンを構えろ」

 「「了解しました」」

 直後、一人の人間が入ることが出来る穴が形成され、アリスが飛躍し、エレベーター内に入った。MP5を構えさせて正解だったな。

 「一緒に来るんだ」

 アリスは頷いた。良かった。未だコントロール下にあるならば安心…『パァアーン』『パァアーン』…じゃなかった…。

 振り向くと警備員二人は撃ち殺され、アリスは此方に銃を向けている。

 「興味深いな」

 完全にコントロール下に置かれていないとはいえ、自分の意思で抵抗するとは…私は今、絶対絶命の危機か!?(絶句)。

 「じゅ、銃を下ろすんだ。私が命じない限り、何一つするな」

 アリスは銃を下ろした。ソレを上げることはもう、出来ない。…ふぅ助かった。やはり私の命令には逆らうことなど出来ないのだ(安堵)。

 『ピユーン!ピユーン!ピユーン!(警告音)。 館内に侵入者、館内に侵入者。全警備員はただちに正面玄関に集合せよ。繰り返すーーー』

 非常線を突破されたか。私は毒づきながらアリスを見て指示を与える。

 「どんな手段を使ってでも、奴等を止めろ」

 アリスは踵を返し、走り出した。彼女は後程、チームと共に私の元に戻れば問題無い。…多分。

 私は白衣のポケットから電話を取り出した。

 「ゼノビア博士だ。ヘリを用意しろ」

 では、私は砂漠にある北アメリカ支部へと移るとするか。 
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