今度こそ、成し遂げてみせる【未完】
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第3話「未知との戦い」「わぁ可愛い」/「何者?」
*時は少〜し遡る。
〈主人公ヒルデSIDE〉第1.0話「未知との戦い」「わぁ可愛い」
まったくなんて奴らだ!私をパシリしやがって!
なんて態度だ本当。誰に似たのやら…私だな、うん……私が言って私が落ちこんでる。というか元はといえば私が外に行くと言ったからだったな。
しかし、まさか地球であったとはな。だが前世の地球では無かった。
とはいえ、少なくとも地球の科学文明に転生したのは喜ばしいこと。
はぁ、情報収集といってもな、一応とはいえ終えているようなもの。
何をしようか…。秘密基地に戻るのもありだが。
折角だ、娯楽で暇を潰したい。前世の地球と比べ、20年以上もの時代が進んでいるのだ。さて、何を『皆様ッ本日は現在人気急上昇中のツヴァイウィングによるライブを開催します!』…ほほう。
ビルに、はめられている公共用大型画面から流れてる映像、告知か。
ライブか、…前世ではオンラインで観賞していたな。
歌も好きだ。心を癒やしてくれるからな。
オンライン越しでも良いがやはり生だと迫力が違かった。
よし、行ってみるか。だが行くにしてもチケットを買う金が…
「あの、すみません」
うん?
「荷物を持つのを手伝っていただけませんか?」
私に声を掛けたのは荒い息を吐く学生服を身にまとう少女。歳は一条財閥の娘と同じくらいか。
どうやら買い物帰りのようだ。…凄い量だな。
「連れは?」(連れはどうしたのかな?)
「は、はい。自分ひとりです」
え、荷物を持つのか? すまない、他の人に頼んでくれ。
そう立ち去りたかったのだが……なんで目に涙の雫が溜まっているのだ??
今にも出そうだな…うん?まさか……、
『手伝ってくれないのなら泣きまくりますよ?(ニヤニヤ)』
手伝ってくれないならこの場で泣くだとッ! この女、なんて姑息な!!
分かった、分かったよ…。
「手伝おう」
くっ、荷物を持つ羽目になるとは!後で覚えてろよ!!
ー10分後ー
「助かりました。手伝っていただき有難うございます」
華を咲くような笑顔で声を掛けてきた彼女。
脅しを掛けた癖によくもまぁ〜。
「あの、お礼にコチラをお渡ししたいのですが…」
彼女より渡されたのは【ツヴァイウィング】のチケット。
「なぜコレを?」
先程やっていたライブ告知の…何故私に?
「実は弟が体調を崩してしまったので家に居ないといけないんですよ」
「そうか」
……
…
さっき後で覚えてろよって思って悪かったな。それ欲しかったやつだ、やった(*嬉々)。
「心遣い感謝する」
本当ありがとう、ありがとう。君なんか体調悪そうにハァハァしてるから大事にな?
さて、コンサート会場に向かうか。楽しみだな。
*そして時は進みコンサート会場。
私は彼女から貰ったチケットを持って会場に向かった。
会場の規模に驚いていると突然風に乗って紙が飛んできた。
それをキャッチすると今度は女の子がやってきた。紙の次は女の子か。中学生か?
「あの、それ私のチケットなんですけど…!」
「あぁ、お前のだったのか。ちゃんと持て」(お嬢さん、ちゃんと手に持った方が良いよ)
「あっはい!ありがとうございます!」
手にした紙が女の子のチケットだと分かり、すぐに返すと礼を言いその場を離れる。
あの様子だと相当楽しみだったんだな、このコンサートが。
その様子を見て私もコレからのが楽しみになってきた。
会場に入りチケットに書かれている席に座ってしばらく待っていると、突然と会場が暗くなった。
もしやと思い心待ちにしていると歌が流れだし、ステージライトが点く。
ステージライトが点いた瞬間にステージの中央から二人の女性が現れた。
赤と青、対照的な髪色をした二人『天羽 奏』と『風鳴 翼』の登場に観客のボルテージは急上昇。
かくいう私も急上昇!
そして会場内に二人の歌声が響き渡る。
「…ほう(やはり生だと迫力が伝わって良いな!)」
魅了されながらも最後まで静かに聞き惚れているといつの間にか歌が終わってしまったが、観客たちのアンコールの掛け声が響く。
かくいう私もアンコール!
「よっしゃあ!もっと盛り上げていくぞー!!」
その掛け声にさらに会場内は盛り上がっていく。
*そして時は進み恐怖の場面へ。
ライブ中に起こった突然の爆発。
会場はまさに、阿鼻叫喚と呼ぶに相応しい。
観客はこの突発的な事態に混乱しながら、我先にと出口へ雪崩れ込む。
それに引き寄せられるかのように飛来する『何か』。
「きゃーーー!?」
「ひ、ひぃ!? 助け……!」
「いやだぁぁぁっ!死にたくな〜い!!」
皆ありがとう、私の気持ちを代弁してくれて(恐怖)。
いやアレ何?着ぐるみが人を襲っている?という空を飛んでるのもいるぞ。
沢山の種類がいるのだな。ウサギにブドウに空輪にオタマジャクシ。
全く、何を逃げまとっているのだ。これは私含むお客さんを楽しませる為のサプライズプレゼントではないのか?
着ぐるみは進化したのだな。空まで飛べているのもあるのだから。
「こっちに来たッ、誰かッ助け…」
それにほら、こんなに可愛らしいというのに男は「いやだ、助けてくれ!」と悲鳴を叫びながら炭灰となって……は?
私から少し離れたところにいた男が可愛い着ぐるみに触られて少しずつ炭灰となり散った。
……は?
「助けてッお母さ…」
私が大学生くらいの子を見つけると同時に炭灰となって散っていった。
……は?
私は絶賛混乱中だ。え?何、”アレ”はサプライズプレゼントでは無いのか?!
全然可愛く無いのだが!何だッ触れるだけで炭灰となって風に散り舞う、とは?!色々と凄いしヤバ過ぎるだろうが!!
今、私が行うべき事は一つのみ。そう、それは……とにかく走れ!
安全な場所に移動しようとするが、目の前に幼い女の子が。
「…っ(邪魔じゃー!)」
そのまま女の子の方へ走りだし、抱きつきながら地面へと倒れるヒルデこと私。
「(私が)危なかったっ」
「あ…ありが…とう。お姉…ちゃん…」
「礼はいい、さっさと逃げろ!」
「う…うん!」
女の子はすぐにその場から離れる。後ろを振り返るとそこにいた【奴ら】はいなくなっていた。
よし、今度こそ!
「あ、あぁ」
またか!
観客席から落ちたところに誰かがいた。
それは会場前でチケットを私が拾ってあげた茶髪ショートをしてる女の子。
とにかく出口に駆けろー!
いや自分以外にも駆けてるの、いたわ。
風鳴 翼と天羽 奏。しかもなんかエヴァパイロットよりもピッチリとして所々に肌を出してるスーツを纏い鎧?を身に纏って【奴ら】達を倒している。奏は迫りきても槍で薙ぎ払うが槍にどんどん亀裂が入っていき、ついに槍の一部が砕け後方に勢いよく飛び散る。そしてその一部が女の子の胸を貫いた。
…ひぇ。
少しして、ツヴァイウィングの一人、奏が女の子に近づく。
私はその女の子方面に駆けていたからツヴァイウィングの一人と一緒にその女の子を囲むようになっていた。…いや何故!?私は出口に向かっていた筈では?!
そして少しずつ確実に私達を囲む【奴ら】。来るなアッチ行け、しっしっし!
「おい!しっかりしろ!!頼む、しっかり目を開けてくれ!生きるのを諦めるな!!」
必死の呼びかけに答えたのか、女の子はゆっくりと目を開ける。私は呼びかけていないが。
「あんた、その子を連れてここから逃げろ」
なんか覚悟を決めていらっしゃる…。
「何をするつもりだ?」(私を殺すつもりではなかろうな?あ、違うか)
「今からどでかいのをかまして、あいつらを倒してきてやる…」
奏は【奴ら】の方へ向く。
「…一度、体の中、全部空っぽにして思いっきり歌ってみたかったんだ…今日はこんなに聞いてくれる奴らがいるんだ…あたしも全力で歌うよ」
そして、少しずつ【奴らの群れ】へと近づいていく。私はそんな彼女を見届け……いやいや待て待て。
私は奏の肩を掴んだ。この展開どっかで観たことがあるぞ。味方ごと巻き込む必殺技を出す気だな間違いない。
「何で止めるんだ!?」
「そんな身体になって(私の安全の為にも)行かせる訳にはいかない」
「だから、どでかいのを「それを使って(私がッ)は無事でいられるのか?」…っ!?」
お前が必殺技を出したら私は多分死ぬぞ? カウンターサイドの力や秘密道具があるとはいえ死ぬかもしれないんだぞ? 巻き込まれたらどうするつもりだ!
「だったらどうすればいいんだよ!ほかに方法でもあるのか!!」
「私が奴らを倒そう」
あ、しまった。ポロッと口から出てしまった。
だがコレは戦術礼装を試すチャンスでは?
「はっ?」
無理だ、とそんな顔をしているな。
「やめろ!ノイズは普通の人間には倒せないぞ!!」
倒せないと言ったな?ならばやってみせよう。だからお前は下がってろ武器を向けるな。
ウォッチを片手に持って握りしめてー
「…(管理局戦術礼装!)」ー装着ー
ーー
*瞬間、大きな光がその場にいたヒルデを囲い彼女の全身を覆った。
そして光が収まると戦術礼装に身を包む姿が…。
白と黒を基調とするスーツ。
スーツの上に黒コートを羽織り外套のように、はためかせている。
背中にはツインズブレイド。
そして胸にはフェンリルのエンブレムが。
ーー
戦術礼装に変身した私は【奴ら】を捉える。
「私の力を見せてやろう」
一度言ってみたかったんだ!このセリフ!
私は早速、群れへ肉薄。
前方に前進し範囲攻撃を行った。コレにより十数体は崩れ去った。…ひぇ。
「まだ行くぞ」
2つの剣を振り回しながら再度肉薄した。先より攻撃力が上昇し次っ次っと数を減らしてやった。
そんな中、私の攻撃をくぐり抜けた一体が突進してきた。あ、死んだ(Oh)
ーー
*【奴ら】より攻撃をくらいヒルデも炭化!と普通はなるがこの戦術礼装を着ていれば大丈夫。
バリアは常時発動しているし万が一破られてもスーツで防いでくれる。
ヒルデは知らないが絶対炭化にならない。何故か?それは神のみぞ知るところだ。
ーー
「…(た、助かった)」
奴らの動きが止まったな。よく分からんが倒す。
よしっ倒した。
さて、後は十数体。【奴ら】は固まっているな。
ではコレで最後としよう。
「終わりだ」
後方から跳躍した後、空中から地面に向かって突進して地面に着地するまで範囲攻撃を与え、数多の斬撃を与え続ける。
最後に残った巨大なのも切り刻み、止めを刺した。
〈主人公SIDE〉第1.5話「未知との戦い後」「わぁ可愛い」
ふう、死ぬかと思った。初戦闘だっとけどよくやれてたと思う。
いや〜最後はカッコよく決まったな。
よし、帰ろう直ぐ帰ろう。こんな危険な場所から避難しなくては!
「ご同行願います」
いつの間にか、謎の集団に囲まれている私。
だが問題無い(*キリッとした顔)。
ステップ1 煙幕を焚く。
ステップ2 秘密道具の一つ【透明マント】を出して羽織る。
ステップ3 秘密道具の一つ【何処でもドア】で地下秘密基地へと離脱する。
「逃げるのかッ!!」
さらばだっ、もう会うことは無いだろうハーハッハッハッ!(*フラグ)
〈翼&奏SIDE〉
「逃げられたか」
「そうね、奏」
『彼女は何者?』
二人は頭の中に残こり続けた。
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