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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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格付け

 
前書き
個人的に人造人間編で闘いが終わってるのかも分かってない場所にのこのこと子供連れで来るブルマにも問題あんじゃねと思った昔。 

 
セルゲームを控えた戦士達はそれぞれ出来ることやっていた。

精神と時の部屋で2年分の修行をしたベジータとトランクスは自宅のカプセルコーポレーションの重力室で少しでも実力の底上げをしようとしていた。

昼食の時間になるとブルマに呼ばれた2人は昼食を摂りに向かったのだが、何故か悟林がいて料理を並べていた。

「悟林さん!?」

「あ、トランクスさん。ベジータさんもお邪魔してるよ」

「ふん」

悟林の言葉に素っ気ない反応をするベジータに悟林は気にせずに料理を並べる。

「これ…悟林さんが作ってくれたんですか?」

どれもこれも未来悟林が左腕が健在の時に作ってもらった料理だ。

「そうだよー、お母さん直伝の料理だよ。さあ、食べて食べて」

悟林が促すとベジータは少しの間を置いてまず炒飯を口にし、徐々に料理を口に運ぶスピードが上がっていく。

肉も魚も骨だけ綺麗に残して平らげていくベジータと久しぶりの師匠の味に手が止まらないトランクス。

サイヤ人の暴食に食べていないのに腹一杯になりそうなブルマだが、取り敢えず料理を口に運ぶとお嬢様であるために舌が肥えている自覚があるブルマもこの美味さには唸るしかない。

「うーん、やっぱり悟林ちゃんはそこらの料理人より上手ねー」

「ありがと、トランクス君もご飯の時間だよー。2人はどう?美味しい?」

「ふん、まあ悪くはない」

「凄く美味しいです!!(悟林さんの手料理なんて…本当に久しぶりだな)」

ベジータにしては珍しく高評価だ。

トランクスも未来と変わらない美味しさに夢中で食べており、チビトランクスにミルクを飲ませる悟林にブルマは悟林がチビトランクスが本当に気に入っていることを再認識した。

「悟林ちゃんはトランクスがお気に入りなのねー。私がドクター・ゲロに飛行機を吹き飛ばされた時もトランクスだけ助けたしねー」

今でも覚えている。

ドクター・ゲロの攻撃で飛行機が壊された時に自分を素通りしてチビトランクスだけを助けた悟林の姿を。

嫌みっぽく言うと悟林はブルマに満面の笑みを浮かべた。

「だって私にブルマさんを助ける理由ないもーん。」

「何ですってー!?あんた私を完全に見殺しにするつもりだったわけ!?」

「そうだよー、闘ってる場所に能天気に来るんだからフリーザの時みたいに自殺願望でもあるのかと思ったもん」

「あんたちょっと薄情過ぎない!?人としてどうなのそれ!?」

「へえー?自分の下らない好奇心のために空も飛べない赤ちゃんのトランクス君を巻き込んだ人の台詞とは思えないなー…?」

顔は笑っているのに目は笑っていない。

恐ろしい笑顔にトランクスは冷や汗をかく。

「え…あ…そのぉ…」

絶対零度の笑顔の下にあるマグマの如き怒りにブルマはタジタジである。

「ねえブルマさん。トランクス君は確かにサイヤ人だよ?でもね、まだ空も飛べないし闘えないの。私が助けなかったらトランクス君死んでたよ?ねえ、もし私がトランクス君を見捨ててたらどうするつもりだったの?」

「だ、誰か助けてくれるかなぁって…」

「馬鹿じゃないの!?ブルマさん馬鹿じゃないの!!頭良い癖に馬っ鹿じゃないのーーーっ!!!!」

カプセルコーポレーション全体を揺るがす怒声にベジータは顔を引き攣らせ、トランクスは未来悟飯を叱っていた時の未来悟林の怒声に重なって無意識に背筋が伸びた。

「あのねえ!敵と闘ってる最中に誰かを助ける余裕なんて基本的にないの!!そんな場所に来られても助けられるわけないでしょ!もしトランクス君が死んでたら私は地獄の果てまでブルマさんを追い詰めてぶっ飛ばすからね!!」

超サイヤ人の状態で本気でぶちギレており、怒りのあまりに目が血走っている。

あまりの迫力にブルマは正座し、トランクスも思わず過去の師匠を羽交い締めにして抑える。

「ご、悟林さん!こっちの俺は無事だったんですからどうか怒りを収めて下さい!母さんには後で俺が厳しく言っておきますから…!」

「ちぇっ!トランクスさんは甘いなぁ。私なら2~3発ぶん殴るよ!?」

「ちょっ!?悟林ちゃんに殴られたら私死んじゃうわよぉっ!?」

「1回天国を旅したら?ひょっとしたら自殺願望が治るかもね」

おっかない笑顔で言う悟林にブルマは顔を真っ青にし、それを見ていたベジータは自分の分を平らげると水を飲んだ。

「ふん、こいつにかかればブルマも形無しだな」

「そ、そうですね…」

トランクスは悟林に叱られてるブルマと、それを見て笑っているチビトランクス、そして我関せずとばかりに食後のデザートの胡麻団子を頬張るベジータを見ながら自分と母親しかいない未来の世界を思い出した。

「(人造人間さえいなかったら、俺もこっちみたいにみんなと…)」

寂しさを感じたトランクスが俯き、それを見たベジータが軽く舌打ちをする。

「さっさと食え、貴様もサイヤ人なら常に戦闘に備えることを忘れるな」

「あ…はい」

胡麻団子を手に取って1つ頬張る。

胡麻はパリパリで団子もモチモチだ。

「お代わりが欲しいなら言ってね。すぐに用意するから」

「ありがとうございます」

トランクスは過去の師匠の手料理を食べながら、あの世界でもう自分のように誰かが理不尽によって家族が揃わないなんてことがないように強くなりたいと思った。 
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