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ドリトル先生と奇麗な薔薇達

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第十一幕その八

「努力はね」
「妬んだり僻んだりする時間をなくして」
「そしてだよ」
「自分を高めるね」
「だからいいんだ、嫉妬なんてね」
 この感情はといいますと。
「持ってもね」
「いいことはないね」
「百害あって一利なしだよ」
 それこそというのです。
「全く以てね」
「持つべきものじゃないね」
「そうだよ、毒を持つよりも」
「お薬を持つことだね」
「いいことをね」
 こう王子にお話してです。
 先生はカレーと一緒に注文したサラダも食べてでした、そうしてそのうえでこんなことも言ったのでした。
「それとね」
「それと?」
「いや、王子はね」 
 王子自身に言うのでした。
「嫉妬はしないね」
「他の誰にもだね」
「うん、他の人にもそうで」
 そうであってというのです。
「将来僕が王位を継ぐけれど」
「他の国にもだね」
「全くね」
 こう先生に答えました。
「悪く思うことはね」
「ないね」
「嫉妬するよりも」
 実際にと言うのでした。
「楽しい思いをするよ」
「そうするね」
「先生みたいにひたすら学問に打ち込んで」
 そうしてというのです。
「努力することはね」
「ないんだね」
「うん、そうだけれどね」
 それでもというのです。
「僕はね」
「特にだね」
「嫉妬とかは感じないよ、そんなことに心を向けるよりも」
「楽しいことにだね」
「ことを向けるよ、だってね」 
 チキンカレーを食べながら先生にお話するのでした。
「僕も忙しいからね」
「王位を継ぐ為にね」
「そうだよ、僕は長男つまりね」
「第一王子でね」
「太子だから」
 それ故にというのです。
「何かとね」
「学ばないといけないね」
「帝王学っていうね」 
 王子は先生に言いました。
「国家元首、王になる」
「その為のだね」
「学問があるから」
 だからだというのです。
「本当にね」
「王子も大変だね」
「先生程学問に打ち込んでいなくても」
「帝王学はね」
「修めないとね」
「いい王様になれないね」
「一国の国家元首にはね」
 そう呼ばれる立場にはというのです。
「なれないね」
「その通りだね」
「だからね」 
「王子も忙しくて」
「その合間にね」 
 帝王学を学ぶ合間にというのです。 
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