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ドリトル先生と奇麗な薔薇達

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第十一幕その九

「遊んでいるし」
「美味しいものを食べたりね」
「そして楽しい思いをしているから」
 だからだというのです。
「本当にね」
「妬んだり僻んだりする時間がないね」
「もう一日にやることが終わったら」
「休むね」
「ベッドに入ってね」
 そうしてというのです。
「それでだよ」
「寝てしまうね」
「そして朝起きたらね」
 そうしたらといいますと。
「その日がはじまって」
「やっぱり帝王学を学んで」
「大学の講義も受けてね」 
 そうしてというのです。
「日本にいても公務はあるし」
「王室の一員としてのね」
「しかも僕は太子だから」
 その立場だからだというのです。
「尚更だよ」
「多忙だね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「僕はね」
「本当に大変だね」
「僕なりにね、そんな中誰かを妬むなんて」
「出来ないね」
「僕もそう思うよ、妬むなんてね」
「何かを一生懸命していたら」
「それでだよ」
 そうした風ならというのです。
「する暇がないよ」
「全くだね」
「脇目も振らずにってあるけれど」
 この言葉も出す先生でした。
「文字通りね」
「一生懸命していたら」
「そうなってね」 
 脇目も振らずというのです。
「嫉妬しないよ、悪いことを考えて悪口を言うより」
「努力するね」
「そうするよ、そして」
 そのうえでというのです。
「ことをね」
「為せるね」
「そして多くのものを得られるし」
「幸せにもなれるね」
「そうだよ、本当に妬んだり僻んだりなんて」
「するものじゃないね」
「全くね」
 まさにというのです。
「毒でね」
「百害あってね」
「一利なしだよ」
 王子に言ってでした。
 先生はこのお昼はカツカレーとサラダを楽しみました、そしてです。
 お家に帰っても学問に励みますが今はハプスブルク家のことを学んでいます、先生のその学問を見て皆は言いました。
「薔薇の騎士はウィーンが舞台だったね」
「マリア=テレジアさんの時代の」
「ハプスブルク家の頃だね」
「まさにね」
「そうだよ」
 先生もその通りだと答えます。
「今僕はこのお家のフランツ=シュテファン=フォン=ロートリンゲンさんのことを学んでいるんだよ」
「確かマリア=テレジアさんのご主人だね」
「今はフランスのロレーヌの公爵さんで」
「マリア=テレジアさんが幼い頃に一目惚れして」
「それから結婚されてね」
「神聖ローマ皇帝になったね」
「そうだよ、ただ皇帝といってもね」 
 その座にあってもというのです。
「実際の政治はね」
「マリア=テレジアさんが見ていたね」
「政治家としても優れた方で」
「内政、外交、軍事で活躍して」
「オーストリアを支えたんだったね」
「そう、けれどね」 
 それでもと言う先生でした。 
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