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星河の覇皇

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第八十七部第二章 膠着状態に入りその三十一

「私の入る場所もな」
「それでは」
「格式はまだ不要ならな」
「そうされますね」
「だが皇帝になるのならわかった」
 それからのことはというのだ。
「よくな」
「左様ですか」
「そして皇帝になる」
 これは絶対とした。
「サハラを治める者にな」
「そうしてですね」
「サハラを治め」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「もう二度とだ」
「サハラ即ちイスラム社会が乱れる様なことはですね」
「ない様にする」
「そうされますね」
「ウマイヤ朝が倒れてからアラブが一つになることはなかった」
「そうでしたね」
「そうなった、だが」
 アッディーンはさらに言った。
「これよりだ」
「それも終わりますね」
「預言にある通りだ、そこで格式が必要なら」
「それならですね」
「備えよう」
 こう言ってだった。
 アッディーンは今はアバダン星系の基地化を進めていった、オムダーマン軍は進撃を停止してそうしていた。
 そのオムダーマン軍と対するティムール軍は戦力の再編成に務めていた、予備選力を動員して軍に編入させつつ。
 そのうえで戦線を構築していっていた、シャイターンはその指揮を執りつつ基幹シャハラザードの中で各軍司令達にモニターでの軍議で言った。
「これまで話した通りだ」
「はい、潜水艦ですね」
「オムダーマン軍の新兵器ですね」
「それに注意することですね」
「次からは」
「そうだ、オムダーマン軍は潜水艦を使ってだ」
 その艦をというのだ。
「そして戦ってきている」
「これまで急に後方や側方から魚雷が来ました」
「そうして基地や艦艇を攻撃されました」
「思わぬ方向から攻撃を受け」
「そうして崩れてきました」
「それに注意することだ」
 これからはというのだ。
「奇襲を仕掛けて来るのは何処か」
「それぞれの戦線において」
「何処から仕掛ければいいか」
「そのことを見極める」
「それが重要ですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「諸君ならそれはわかるな」
「お任せ下さい」
 軍司令達は即座に答えた。
「我々も軍を率いる身です」
「その職にあります」
「それだけになるからにはです」
「それはわかります」
「私は適材適所を行っている」
 シャイターンも自信を以て答えた。 
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