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星河の覇皇

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第八十七部第二章 膠着状態に入りその三十二

「それぞれの能力を発揮する場にだ」
「人を用いられますね」
「それは軍も同じで」
「我々もですね」
「諸君等は軍司令に相応しい」
 まさにというのだ。
「艦隊司令で収まらずな」
「それ故にですね」
「我等に一つの軍を任せて下さっていますね」
「だからですね」
「これからの戦いでも」
「同じだ」
 このことはというのだ。
「まさにな」
「左様ですね」
「それではですね」
「我々はですね」
「オムダーマン軍の潜水艦の奇襲もですね」
「見抜ける」
 間違いなくというのだ。
「だから任せる、ただだ」
「ただ?」
「ただといいますと」
「まだ何か」
「ある、我々はこれまでの戦いで戦力を失ってきた」
 オムダーマン軍とのそれでというのだ。
「そして予備選力を招集し今軍に編入しているが」
「ブランクですか」
「彼等は現役から離れていました」
「だから軍に最初からいる者に劣る」
「そうだというのですね」
「そうだ、経験はあるが」
 貴重なそれはというのだ。
「しかしだ」
「やはり年が開いている」
「それが問題ですね」
「どうしても」
「それで、ですね」
「索敵もですね」
「支障が出る」
 どうしてもというのだ。
「だからだ」
「そのことも頭に入れて」
「そうしてですね」
「戦う」
「そうしていきますか」
「そうすることだ」
 こう司令達に言った。
「いいな」
「わかりました」
「ではその様にしていきましょう」
「我々も」
「兵の質が落ちることは頭に入れておきます」
「全体的なそれは」
「数は必要だ、だがある程度の質も必要でだ」
 それが為にというのだ。
「彼等を招集したがな」
「ある程度の質はあっても」
「どうしても実戦を離れていますから」
「勘は鈍っていますね」
「どうしてもですね」
「それは否定出来ない、そしてその鈍りがだ」
 まさにそれがというのだ。
「問題になる」
「潜水艦の発見についても」
「若し見過ごせばですね」
「敵が付け入るはじめになる」
「だから見逃さないことですね」
「軍の将兵の質が落ちていることは頭に入れておき」
 そしてというのだ。 
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