星河の覇皇
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第八十七部第二章 膠着状態に入りその三十
「そこはそうなっています」
「私だけか」
「そして皇帝になられますと」
「食事のメニューもか」
「そうなります」
「何かと違ってくるな」
「それが皇帝です、王の上位にあり」
シンダントはアッディーンにさらに話した。
「アッラーの代理人でもあり」
「イスラム即ちサハラの統治者だな」
「そうなるのですから」
「だからだな」
「その権威はかなりであり」
そしてというのだ。
「食事一つでもです」
「そうなるか」
「そして住まれる場所も」
「質素でもか」
「格式が求められます」
「そうなのか」
「日本の皇居は驚くべき質素さですが」
このことはシンダントも知っている、それこそサハラでも富豪の別荘程度のもので皇室の宮殿ではないというのだ。
「格式はあり日本の平安期の御所を再現したものだとか」
「あの質素な宮殿もか」
「はい、そうであって」
「格式はあるのだな」
「左様です、宮殿といえばです」
「そうなるのだな」
「左様です、そして日本の皇室の格式は」
今話しているそれはというと。
「恐ろしいまでのものがあります」
「四千年存続しているだけにか」
「ヒジュラより遥か昔よりありますから」
それが日本の皇室の歴史である、神武開闢を事実と考えるとそこまでの歴史があるのだ。
「はっきりしたこともヒジュラ前よりわかっています」
「ヒジュラから全てははじまった」
アッディーンはムスリムとして語った、彼もまた敬虔なムスリムであるのだ。
「そしてそのヒジュラよりもだな」
「前にです」
「存在しているか」
「それが日本の皇室であり」
「格式もか」
「質素ですが」
それでもというのだ。
「かなりと言っても足りないまでに」
「あるということか」
「左様です、そしてサハラの皇帝もです」
「格式がありか」
「その暮らしはです」
「そうなるか」
「そのことはご了承下さい」
こうアッディーンに話した。
「それが皇帝であり」
「サハラを統一し治める者だな」
「左様です」
「贅沢はないが格式はある」
アッディーンは考える顔で鋭い目になって述べた。
「そうそうわからないことだな」
「左様ですね」
「だがそれが真実でだな」
「はい、政治であります」
「そういうことだな」
「まさに。それでは今は」
「これまで通りだ」
それでいくというのだ。
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