星河の覇皇
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第八十七部第二章 膠着状態に入りその二十九
「格式のある質素もです」
「あるということか」
「ですから閣下は今はそのままでいいとしても」
「皇帝になるとか」
「大統領ならいいです」
今のままでもというのだ。
「大統領は国家元首ですが」
「共和制の下であってな」
「選挙で選ばれその人だけのことです」
「一人のな」
「選挙で敗れることもあります」
ただしサハラでは独裁者であることも多い、連合ではどの国の大統領も選挙で敗れることも常であるがだ。
「それ故に権威も限られていて」
「格式もだな」
「存在していても」
それでもというのだ。
「所詮とです」
「言っていいまでのものだな」
「はい、ですが皇帝はです」
「サハラでいうとスルタンでありな」
「カリフでもあります」
「君主でありアッラーの代理人だな」
「それがサハラのイスラム世界の皇帝です」
そうなるというのだ。
「オスマン=トルコからの」
「そうだったな」
「二十世紀にオスマン=トルコが共和制になって長い間存在しませんでした」
ィスラム世界の皇帝はというのだ。
「しかしです」
「それでもだな」
「サハラを統一すれば」
「イスラムの皇帝でありな」
「スルタン=カリフになります」
「そうなるな」
「アッラーの代理人でもあるので」
「格式もだな」
「存在します、スルタンといっても」
イスラム世界では領主となる、所謂王と言ってもいい。
「カリフでもあるので」
「格が違うな」
「はい、まさに格式が」
それがというのだ。
「違いますので」
「食器一つ取ってもか」
「今の様ではならず」
「銀のものか」
「そうなりお食事も」
これもというのだ。
「特別な」
「そうなのか」
「今でさえ他の国ではです」
アッディーンは質素でありこうしたことに無頓着であるので他の将兵達と同じものを食べているがというのだ。
「食事も大統領専属のシェフがいて」
「作っていてか」
「それを口にしています」
「サハラでもだな」
「はい、連合でもマウリアでもであり」
「エウロパでもだな」
「左様です」
そうなっているというのだ。
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