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神々の塔

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第八十一話 老子と孔子その四

「ほんまな」
「そやねんな」
「実際アメリカのどのチャイナタウンでも関帝廟あるしな」 
 メルヴィルはまたこの話をした。
「起きた世界でもこっちの世界でもな」
「ほんまな」 
 同じくアメリカ人のトウェインも頷いた。
「そやからな」
「若し関羽さんが天帝になっててもな」
「おかしくないな」
「中国で一番人気のある神霊さんの一柱やろな」
「こっちの世界でもな」
 トウェインあそれはと頷いた。
「そうやしな」
「それでやな」
「関羽さんが天帝になったって話が出てるな」
「関羽さんの人気は凄いわ」
「老子さんとどっちが上やろな」
「今回は老子さんと戦うけど」
「それでも凄い人気やな」 
 関羽のそれはというのだ。
「強くて学問が出来れ清廉潔白」
「義侠心もあってな」
「しかも弱きを助け強きを挫く」
「忠誠心も凄くてな」
「お友達にしたいわね」
 是非とだ、アレンカールはこう言った。
「そんな人は」
「お友達におったら」
 それならとだ、リーも言った。
「私もええと思うわ」
「そうよね」
「私も中国系でな」
「道教信じてるわね」
「そんなに深く信じてへんと思うけどな」 
 自分ではというのだ。
「そやけどな」
「信じてるし」
「それでな」
「そう言うのね」
「そや、そして関菩薩さんに負けへん様な」
 そうしたというのだ。
「立派な人になりたいと思うわ」
「お友達に持ったら」
「お友達やなくてもやが」
「やっぱりお友達やとね」
「そう思うわ。斉天大聖さんも魅力的やが」 
 西遊記で有名なこの神霊もというのだ。
「そやけどな」
「あの方はね」
 アレンカールはその斉天大聖即ち孫悟空の話に頷いて言った、この神霊の性格はそれこそ星の者なら誰でも知っていることだ。
「あれよね」
「明るくてな」
 その性格はというのだ。
「闊達で剽軽、気さくで飾らへん」
「そうした方よね」
「乱暴やけどな」
 それでもというのだ。
「そうした方でおもろい」
「傍にいてもね」
「ムードメーカーや」
 孫悟空はというのだ。
「ほんまな、それで関羽さんは」
「頼りになって自分もかくありたいと思わせる」
「そんな方や」
「鑑ね」
「お手本になる方や、欠点もあるけどな」 
 身分が高い者には傲慢であり人を侮る癖もあったのだ、それが為に破滅していることは史実でも演戯でも同じだ。 
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